第6話先にあったことは、また後にもある、先になされた事は、また後にもなされる。日の下には新しいものはない。

(原文:第1章9、10)

9 先にあったことは、また後にもある、先になされた事は、また後にもなされ  る。日の下には新しいものはない。


10 「見よ、これは新しいものだ」と言われるものがあるか、それはわれわれの  前にあった世々に、すでにあったものである。


人間の労苦は同じことの繰り返し。

生老病死は繰り返す。

以前に発生したことが、また発生する。

結局、この地上世界において、新しく発生するものはない。

「新しい事例」と言われたとしても、調べれば、過去にもあったと、伝道者は語る。



さて、この文が書かれた時代と、今までの地球の歴史とを振り返ってみる、そして現代の社会と見くらべた場合、どれだけ違うのだろうか。


戦争は無くなったのだろうか。

戦禍に泣く子供がいなくなったのだろうか。

飢饉はなくなったのだろうか。

貧困は無くなったのだろうか。

人殺し、盗み、嘘など、他者を苦しめる犯罪は無くなったのだろうか。



結局、ソロモン王の時代にあったことは、ずっと、引き続き起きている。


もちろん、新しい科学技術や社会は、どんどん生み出されている。

しかし、人間を苦しめる事例は、過去と何ら変わりがなく、発生し続けている。



その意味で、人間は、どれほどの成長をしてきたのだろうか。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る