第9話わたしは日の下で人が行うすべてのわざを見たが、みな空であって風を捕えるようである。

(原文:第1章14)

わたしは日の下で人が行うすべてのわざを見たが、みな空であって風を捕えるようである。



ソロモン王は、在世時に、科学・哲学・歴史・芸術・文学・宗教など、当時最高の教師に指導を受け、全ての学問において、豊かな知識を得た。

その彼が、地上で行われる全ての事例を見て感じたことは、「全て空」であり「風を捕える」がごときであったと言う。

つまり、全てに実体あるいは、実感がないということなのだろう。


懸命に求めた知識は、結局、「学問上の理論」であり、いわゆる「机上の空論」だったということではないかと思う。

学問のための学問。

議論のための議論。

結局、そういうものを求め、極めたとしても、何ら実体も実感もない。


現代の社会でも、学者にしろ、政治家にしろ、法律家、音楽家、スポーツ選手を見ると、その分野だけを極めているけれど、それ以外の人間としての基本的なことに欠けている人が多いように思える。




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