第36話わたしはまた、人の子らについて心に言った、「神は彼らをためして、彼らに 自分たちが獣にすぎないことを悟らせられるのである」と。 ~

(原文:第3章18~19)

18  わたしはまた、人の子らについて心に言った、「神は彼らをためして、彼らに 自分たちが獣にすぎないことを悟らせられるのである」と。


19 人の子らに臨むところは獣にも臨むからである。すなわち一様に彼らに臨み、 これの死ぬように、彼も死ぬのである。彼らはみな同様の息をもっている。人は 獣にまさるところがない。すべてのものは空だからである。


20 みな一つ所に行く。皆ちりから出て、皆ちりに帰る。



神の与えた困難な試練に耐えきれず、試練を恨み、他者に対して、獣のような行為に走る人間が後を絶たない。

そこで伝道者は理解する「人間とて、善悪を理解しない獣に過ぎない」と。


人間に賜る「死」は同じように獣にも賜る。

その意味において、人間は獣に勝るところはない。

その生き物全てに与えられる「死」というものが、「全てのものは、空虚である、つまり、何も残ることがない」ことの、確かな証拠なのである。


結局は行き先は善人も悪人も獣も同じ。

そもそも、皆、神が塵から作ったのだから、皆、塵に戻すだけなのである。



この文も、非常に重い。

誰彼ではなく、まず自分について考える文なのだと思う。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る