第9話 ゾウさんを凝視していた!

彼女は僕を唯見詰める。

だが…… 視線が違う!!

絶対に違ってる!!


僕の瞳ではなく、股間を…… ゾウさんを凝視していた!


「おかしいわねぇ?

キャリブレーションは完了よね。

なぜ? タッチ・・・しないのかしら? 」


僕は答えない。 ただ、彼女を見詰め微笑んだ。

だって、沈黙のゾウさん・・・・・・・がピクリともしないのだから。

「その、ブレスレット未完成でしょ 」

僕は確信し、訝しげに彼女へと聞く


「それは…… そんな筈無いわよ。 だってアルバイトの子達、皆アソコをタッチ・・・させてたのよ! 」


「はぁぁ~! それは…… 君の勘違いだよ。 

多分だけど…… 君は自覚が無いでしょ?

自分が可愛い事に 」

それが真実。 

唯単に彼女の色香に中てられて、アソコを元気にタッチ・・・させていたのだろう!


きゃわ……可愛い???? 

そ、そんな事、誰からも言われた事無いわよ!!!


「ごっ、誤解しないでよ! 

き、気付いているのに、き、決まってるでしょ!

なっ! なによ! そんな疑う様な目で見ないでよ…… 

別に…… 悔しくなんか…… 無いんだからね!

失敗だって…… 完成してなくたって…… 」

彼女は瞳を潤ませ、大粒の涙を溢しはじめた!


「わぁ~チョッと! 泣かないで!

お願いだから! 

僕が完成まで協力するから!

だから…… な、き、やんでぇえええええ! 」


「うふっ♪ …… バッカじゃないの~ 

そんな、本気で泣く訳無いでしょお!

ぽ、ポーズよ。 判った? 

本とに? 疑って無い? 信じてくれたのなら良いのよ 」

だが、彼女は嬉しそうだった。

目を真っ赤にして、強がって……

そんな君に魅せられて……


い、いかん!

ゾウさんが暴走してしまう!

完成までは…… この気持ちは封印だ!

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