第5話 きっと! 違った扉を開けられていまう!

『うふふ、 とぉ~っても、いい眺めねぇ 』

彼女は二重人格なのだろうか?

先程までとは全然違うのだ。

だって、頬が上気して薄紅色に染まっていた。

瞳が潤み、ふっくらとした唇は艶かしく輝いていたのだから。


こ、これはヤバイ! 

きっと! 違った扉・・・・を開けられていまう!

そんな、危険でありながらも引き込まれそうな、淫靡な空間へとシフトしているような気がする。


『ね、ねぇ! なにをするの? 変な事はしないよね…… お、お願い! 』

おまえは、乙女か! と心の中で自分へと突っ込む! 

まだ、そんな元気があるが……

おれの、暴れゾウさん・・・・・・はピクリとも動く気配は無かった。


『さっきの質問の答えよ。

姉の研究が凄い事だとは思うのよ、でもね。

世の中には起き上がれない・・・・・・・人も居るの。

立ち上がれない・・・・・・・人も居るのよ。

判る? 』

彼女は右腕の拳をスカート横のファスナーより入れると、おもむろに右腕を上へと上げ放った!


それは、正しく暴れゾウさん・・・・・・降臨のポーズであった!




「へ!…… 」

そんな可愛い顔で、そんな事をなさってはいけないのです!

しかし、性的興奮よりも、僕は下半身の血の気が更に引いて行くのを感じていた!

不味い! 本気で不味い!

夏への扉・・・・、否、新たなる扉・・・・・を開かれてしまう!


その恐怖とは裏腹に、流されそうな自分との戦いに突入した!

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