意外さゆえに素朴な想いが響く

主人公は教育実習のため母校に戻ってきた大学生。
教育実習というのを経験したことがない人でも、教育実習生の危なっかしくもひたむきな姿を懐かしく思い出す人も多いと思います。
本編は教育実習生の目線から見た生徒、教師、教員室などがとてもリアルに描かれています。
何気ない日常に見えて不思議な存在感があるのが、主人公を指導する西部先生。

この先生には実は驚くべき秘密があります。
しかし、その秘密を知ってなお思ったのです、「この人、先生なんだ」と。
教師であることがただ好き、だからやっているんだと。
先生のその想いの前に「秘密」など小さなことに思えてしまうから不思議です。

教師になりたいと思ったことがあるも、そんなことを考えもせずに学生時代を過ごしてきた人にも、ふっと懐かしい初々しさを感じるお話だと思います。

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