概要
除霊能力はへっぽこだけれど霊が見えるアイドル巫女の綿乃原から、今日もアルバイトのお誘いがやってくる。
二人三脚で進むゆるふわオカルト物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!女の子たちがバディを組んで挑むゆるふわ除霊譚
霊を視認することはできないがぶっ叩くことはできる主人公・佳織と、霊は見えるが除霊のできない相棒・綿乃原先輩とのコンビが心霊スポットの「あと始末」をしていく……という筋書きのオカルト風味の現代小説。
読んでいて感じるのはとにかく「堅い」ということ。
作風が、ではありません。作風はむしろ日常モノにも近いゆるさがある。
ここで言う「堅い」というのは悪い意味ではなくて、キャラクター設定や文章力、構成力といった、作品の背後に見え隠れする書き手の筆力の高さが窺えるという話なのです。ド安定と言い換えてもいい。
除霊のアルバイトを通して変わってゆく二人の距離にニヤニヤしたり、主人公の私生活のへっぽこさに…続きを読む - ★★★ Excellent!!!えも言われぬノスタルジー
一読して真っ先に抱いた印象は、何やら懐かしいテイストがする、というものだった。何だろう、90年代的オカルトモノの香りとでも言うべきか、霊感探偵とアシスタントという感じの設定や、随所に出てくるガッチリと土台が組まれた心霊設定など、そういうもの全てがノスタルジックな香りを放っていて、まずそこに感動を覚える。
別に古くさいと言いたいわけではなく、むしろそういった懐かしさをベースとしながらも、現代的なエッセンスで違和感なく現代物として読ませているのだから、その辺は上手いと唸るしかない。
キャラ作りがとても丁寧で好感が持てる。貧乏暇無しと言わんばかりにこき使われる主人公も、元を正せば自業自得であり、そ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!女の子ふたりのバディもの。ちょっと不思議で、かなりだめ人間。
ひどいレビュー表題ですけど、いいところを説明するのが難しいんです。だってこのお話、好きなところやいいところについて語ろうとすると、すごく漠然とした説明になってしまう。
とりあえず先に最大の魅力を、ものすごく雑に説明します。『安心して読めます』。それが本作の最大のいいところです。ひとつの物語としての完成度の高さ、安定感、隙のなさ。そういった部分。足りないところや余計な部分がなく、変に尖りすぎたりもしていなければ平坦だと感じるところもない。すごいんです。すごいのに褒めにくいから今ものすごく困っています。だって要は「高品質」と、その一言で終わってしまいます。こんなの漠然としすぎていて、ただ言…続きを読む