女の子たちがバディを組んで挑むゆるふわ除霊譚

霊を視認することはできないがぶっ叩くことはできる主人公・佳織と、霊は見えるが除霊のできない相棒・綿乃原先輩とのコンビが心霊スポットの「あと始末」をしていく……という筋書きのオカルト風味の現代小説。

読んでいて感じるのはとにかく「堅い」ということ。
作風が、ではありません。作風はむしろ日常モノにも近いゆるさがある。
ここで言う「堅い」というのは悪い意味ではなくて、キャラクター設定や文章力、構成力といった、作品の背後に見え隠れする書き手の筆力の高さが窺えるという話なのです。ド安定と言い換えてもいい。

除霊のアルバイトを通して変わってゆく二人の距離にニヤニヤしたり、主人公の私生活のへっぽこさに親近感を覚えたり、そんな主人公の幽霊の感じ方が「くさい」であることに妙なおかしみを見出したりしながら、続くエピソードを待たせていただきます。

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