概要
この感情の正体に、気づいてはならない。
高速道路の途中に突然現れた観覧車を、私は不思議な気持ちで眺めていた。
姉の恋人だった誠くんの運転する隣の、姉の定位置だった助手席に座って。
姉の恋人だった誠くんの運転する隣の、姉の定位置だった助手席に座って。
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- ★★★ Excellent!!!回り続けるゴンドラと、私たちの想い。
話はシンプルだ。姉の恋人と親密になっていく妹の物語。姉はもう亡くなっているが、姉の存在の残滓はまだ色濃く残っている。主人公の妹の心にも、姉の恋人の心にも、家にも――。
そんな中、妹はかつての姉の恋人とドライブして、観覧車に乗る。しかし二人で乗ったはずのゴンドラで、姉の恋人が見ていたものは……。
主人公の妹の視点で終始描かれているが、恋人のふとした仕草や視線などから二人の微妙な関係性がよく描かれている。まるで二人と一緒にいるかのようなリアリティがあり、最後に観覧車のゴンドラと二人のこれからを暗示しているところに感服した。
この作者様のリミタリーアクションものを拝読したことがあるが、現代…続きを読む