その空席への応援コメント
語彙力がなくて申し訳ないが、、この話はヤバい。
光が強ければ、陰はより一層濃くなる。姉と誠さんとの輝かしい記憶は、現在により一層影を落としています。この感情の正体に、気づいてはならないのところで、心臓をギュッと掴まれました。
また、死んでいった姉の心情も、考えると辛いです。妹さんの気持ちに、彼女以上に気付いてしまって、それでも誰も傷つかないように配慮するなんて、、それだけ妹さんのことも強く大切に思っていたのですね。彼女はどんな思いで死んだのだろうか。
1番好きなところは、最後の記憶は観覧車と共にくるくる回り続けるだろうです。この部分は僕の頭の中に残り続けそうです。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
姉は不慮の事故で突然いなくなってしまったので、この先の予定とか、気付いていなかった想いとか、誰も彼も上手く片付けられないままでした。
仰る通り、楽しかった記憶が輝いている分、心にその影だけが残ってしまっているような状態なのでしょう。もう実物には二度と触れられません。
ラストの一節は、私自身も気に入っているフレーズです。拾っていただけて嬉しいです!
その空席への応援コメント
始めの方で、姉から恋人を奪った妹の話だろうかとチープな想像をした自分が恥ずかしくなるぐらい、優しく哀しいお話でした。姉がいたからこその誠であり、めぐみであり、その均衡が失われた時に「終わり」なのだと、確かにそういうものだと気づかされました。差し込まれる幸せな回想が切ないです。分かっていたとしても誠への感情に名前をつけなくてよかった。記憶は回り続けても、いつかそれぞれが空席を埋めてくれる人に出会えれば、と思います。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
冒頭部、実は少しだけミスリードを狙いました。笑
そのメンバーだからこそ成立する関係性ってありますよね。
めぐみと誠は「姉」という存在で繋がっていたので、この先も二人の間にはずっと「姉」の空間があるはずです。
そうですね、また新たな出会いがあって、ここから前に進めるといいですね。
温かな感想、ありがとうございました!
その空席への応援コメント
お葬式という慣れない空間はまるで「夢のよう」で、それよりも、亡き人と楽しく共有していた眩しい時間がとめどなく喪失感をもたらしてくる…この辺りに、陽澄様ならではのリアリティを感じました。ここまでの悲しい別れはまだ経験していないので、あくまで想像ですが…。
「空席」の存在感はヤバいですね。いざ自分にその経験が訪れたとき、確かに空席を見ただけでどうにかなってしまいそうです。
写真に残された、姉の言葉。そこもまた、姉にとって大事な「席」で、三人が揃ってこそのかけがえのない空間だったんですね。
主人公が、その空間を壊せない理由、わかるような気がします。
…という作品のテーマとは離れますが、山中の観覧車って見晴らしよくて面白そう!って思うのは私だけでしょうか?なんで人気ないんだろう…。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
葬式は完全なる「非日常」なので、その人が亡くなったという区切りにはなりますが、やはり喪失を実感するのはその人不在になってしまった「日常」の中かなと思いました。
それまではごく当たり前にその人がいた場所は、他の誰にも埋められないんですよね。
主人公視点ではありますが、姉もまた三人の空間を大事に思っていたのが分かるから、残された二人だけではどうにも前に進めませんでした。
くだんの観覧車は実在する場所がモデルなんですが、つい半年くらい前に初めて乗ってみました!
山々が遠くまで見渡せて、なかなか良かったですよー(*´-`)
丁寧なご感想、ご評価、ありがとうございました!
その空席への応援コメント
こんばんは。
明確に書かれているめぐみの心情もそうですが、誠の心情もリアルですね。
最後、夕飯を断って、じゃあねと手を振って、テールランプにウインカーが角を曲がって見えなくなる。
前後がなければ、数え切れないほどに見られる日常のひとコマです。
でもそれが、永遠の別れなんですよね。
誠への感情。きっとそれに、私は名を付けることが出来ます。けれども無粋なので、やめておきましょう。
もう会わないほうがいい気がする、というのが全てですね。
高速道路と観覧車。姉の収集癖。誠とめぐみ。
普通は並び立たないものを、繋ぎ止める。上記しただけでなく、いくつも散らばっていますね。
それらの全てが姉を示し、目の前にあったのは砂の塔だったのだと、崩壊を呆然と見つめる、めぐみの気持ちが伝わってきます。
直接そうと言葉を置かない記述が、この切ない読後感を生んでいます。
また一つ、すずめさんのお話が深く、私の心に刻まれました。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
この短編は、自作でも特に気に入っているものの一つです。
不在のものの存在感を描くことを、意識して書いていたと思います。
今は「ない」けれど、かつては「あった」もの。
故人のちょっとした癖とか、その人を含めて成立していた人間関係とか、思い出とか。
形はないけど、残された人たちの心の中にはしっかりと存在しているようなものって、たくさんあるように思います。
このお話がゆきはさんの心に残ったのであれば幸いです(*´-`)
その空席への応援コメント
哀しくて、温かくて、なんて素敵な短編だろう、と思いました。
すずひめさんの恋愛小説は、デジタルではなく、時間とともに褪色が進むアナログのフィルムで撮影したもののように映像が目に浮かびます。
遺されたものたちが、そこに不在であるものの存在感を浮かび上がらせ、また逆に、不在であるものが遺されたものたちの輪郭や関係をくっきりさせるという、写真のネガ・ポジのような構造の鮮やかさを感じた作品でもありました。
また「運動」が印象に残ります。高速道路を流れていく車たち、山奥の水族館に閉じ込められている魚たち、観覧車に乗って巡り続ける思い。
そこに共通する不自由さ、当て処のなさようなものが(上手く表現する言葉が見つからないですが)、単に「秘めた思い」というだけでなく、人生に共通する何かを物語っているような、そんなイメージが残りました。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
伝えたいことを汲み取ってくださって、とても嬉しいです!!
そこにないものを描く。光と陰の間にあるものを捉えるような感じで、言葉を探しています。
無機物の動きや切り取られた空間なんかに、意味を付けるのが人間の心なのかも知れません。
その空席への応援コメント
素晴らしい作品をありがとうございます。
キャッチコピーから想像した内容と違い良い意味で裏切られました。
作中の観覧車はアクアトト・ギフのあるところですね。
以前、少し岐阜に住んだ事がありましたのでピンときました。その少し東にある妙なタワーにも行った事があります。なんとか138? みたいな名前の。
関東に出てくると岐阜が懐かしくなります。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
おぉ、ご存知ですか!
仰る通り、アクアトトです。以前、毎週のようにあの高速の道を走っていた時期があり、その時に思いついた話でした。
実際に行ってみると、水族館も観覧車も賑わってるんですけどね。
138タワーも近くにありますね!
リアルな場所をイメージしながら呼んでいただけて嬉しいです(*´-`)