エピローグ 星降る夜に

それから70年後。


車椅子に乗せられたレイは、複製体居住区を通り、複製体がヒトの住める環境を整備したヒト居住区の一室に連れてこられた。

車椅子を押すのは、310014の複製体だった。


310014は、部屋の操作盤に触れた。


「心拍数、血圧、共に異常なし」


CSマシンが律動を刻みながらゆっくり開き、白い息をはく。


「……レイ?」


1096年間の眠りから覚めた彼女は、声も発しないレイを抱きしめた。


「長旅、お疲れ様でした」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ヒューマノイドと星の見る夢 setsu @s-e-tsu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ