第3話 心の駆動

310014は、レイをある施設に連れて行きたがった。

レイはそれを拒む理由がなかった。

明るい310014の話し方に流されその道中、いつしか施設観光をしていた。


「ここではCS状態のヒトの心の観測を試みています」


巨大なガラス板で仕切られた向こう側では、ヒューマノイドたちがまるで人間の科学者のように、操作板をいじっていた。


「今向かっているのが、それに関する施設です」

「へぇ……」

「レイ様……運動能力に難は見られないようで、なによりです」

「そりゃどうも……」


310014はくるっとレイと対峙した。


「あなたは1012年間、CS状態でした」

「そんなに?!」

「そして、ヒューマノイドの総意をもって解凍させられることとなりみした」

「どうして……」


「ヒューマノイド産ヒューマンの製作に、お力添えを頂くためです」


「……?」


310014はレイの瞳を覗き込んだ。


「記念すべき一人目の希望、七宮レイ様

私達に、有機的なヒトの心を教えて下さい」

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