第9話 異物の使命

「ずいぶん艶っぽい格好だな」


レイは部屋の扉を閉め、310014を奥に招いた。


「そうなんです

精神サポートということで」


310014はくるっとレイの方を向き、

「えいっ」

すぐそばのベッドにレイを押し倒した。


「レイ様をお慰めに参りました」


「は……何を……」


310014はレイの耳をはんだ。


「おいっ……ちょっと、話せ!」


レイはそれを拒んだ。


「仕事しに来ただけなら今すぐ帰れ!」

「えええ……よろしいのですか?」

「いらん!帰れ!」


レイは額の汗をぬぐった。


「それでは、こちらをご覧になっていただいてもよろしいでしょうか……?」

「いらんっ……ん?」


レイは310014から水彩紙を受け取った。


「上手く描けているじゃないか」

「でしょう!

躍動感を意識したんです」


描かれていたのは、創作ダンスを踊るレイの姿だった。


「……」


「今夜は添い寝させて頂きますね」

「は?」

「スリープモードにしますので、ご安心を!」

「……」

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