第8話 心は機能か現象か

「完成しました」


310014はパネルから、水貼りされた水彩紙を切り取った。

そしてドライヤーのスイッチを入れ、熱風を紙に当てた。


「傑作が生まれました」


その紙を光に透かして、じっと見つめた。


「レイ様の眼は、これをどのように受けとるのでしょう……」


-もしも心が現象ではなく


-それより下のレベルの何か現象によって実現されうるものなら


-認知機能主体である私にも……


-あなたと同じ心が生じるはずなのに……


「お部屋を……訪ねてみましょう」

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