第10話大地の息吹

「レイ様、おはようございます」


レイはベッドの上に胡座をかいて、じっと窓の外に広がる退廃した景色を見ていた。


「レイ様……?」


310014は肘で体を支えて、すこし起きあがった。


「外には出られるのか?」

「出られません

大地の放射能汚染により、生身のままでは被曝し、重篤な障害を与えられます」

「そうか……」


レイは視線をそらそうとはしなかった。


「私情をはさんで申し訳ないが、J-116307からJ-116309との面会は可能か?」

「不可能です

現在全てのCSマシンはリアルタイムで管理、バージョンアップを行っております

異物が侵入する隙はありません」

「わかった」

「お部屋の扉の前までであれば、お連れすることが可能です

いかがなさいますか?」

「いや、いい

三人は……どんな夢見てんのかな……」


レイは天井を仰いだ。


「それについてはアクセス権がありません」

「はは、そうかよ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る