恋はどこから生じるか

恋におちることを義務づけた校則をもつ学校を舞台に、さまざまな愛の形がえがかれた物語です。

恋は自然に生じるという考えと、規則があるからこそ恋が生じるという考えの対立、そして規則で恋を援用しようという考えなど、「恋する規則」を中心に、登場人物たちの恋が軽快な筆致でしるされていました。
よんでたのしいラブコメというだけでは収まりきらずに、取りあげられたテーマについてかんがえてみたくなるのが、じんたねさんの作品のよいところだとおもいます。
快活な会話劇はそのままに、登場人物たちの気持ちを浮き彫りにする描写が多いのもおすすめポイントです。

ときに切なく、ときにちからづよく、そしてときにおそろしく、ときには滲んだままで、いろいろな恋が交錯するなかで一応の結末をむかえましたが、この物語、とじていませんよね。
これからもつづくであろう登場人物たちのどたばたに思いをはせてしまいます。

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