増黒節炸裂★★★★★民を想い、国を見据えた戦士たちの生き様がここにある

大河ドラマも見たことのない私は無論、歴史モノ小説も初めてで、しかも長編。
果たして完読できるのか、軽い気持ちで読み進めてみた。

結果、2018年の年明けに自身がニルと一緒に巨大なクマから逃げ、吊橋に追い込まれるという謎の初夢にうなされるほど、本書の影響を受けまくり完読した。

なんと言っても惹かれるのが臨場感あふれる戦闘シーンだ。
ギタリスト兼ラッパーという経歴を持つ著者が放つ描写は非常にテンポとリズムに弾んでいて、譜うように綴られる文末に時に酔い痴れてしまう。

その男らしいタッチとは裏腹に、雨つぶに瞬く瞼の動きまでもが繊細に描かれており、登場人物の魅力を上手に読者へ想像させてくれる。

面白いーー。
サクサク読めて楽しかった、ではなく、

時に息を飲み、手に汗握り、どっと疲れる、
なのに引き込まれてしまうから、面白い。

経営戦略本としてあらゆる経営者の愛読書となっている古典「孫子」、
日本で最も長く時代を収めた「徳川幕府」などの背景が垣間見え、

現代へ通ずる「永続主義」の国を目指し、
戦う人々のあり方や思考がよく描かれていて

その狭間にすくう人々の生き様がまさに力強く描かれており、
ブレのない思想がさらに人物をより魅力的に引き立たせてくれる。

読者レビューを拝見すると同意見となってしまうが私も書こう、

ぜひたくさんの人にこの作品を読んでほしい。

そして暴れる風、増黒氏の突風のような早筆に今後も期待したい。


PS:
いや〜皆さんのレビューが上手で書くのに少し戸惑いました。

増黒さん風に書いてみたのですが、いやぁ疲れます。
孫子も徳川幕府そんな知らんし(笑)!!

読者としても同じ物書きとしても大変面白く勉強させていただきました!
これからも応援しています!!

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