そらにはからす、ちにうさぎ。かはたれどきに、ゆめをみる。

作者 睡蓮たしぎ

75

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★★★ Excellent!!!

山で暮らす天狗の烏兎と、里で暮らす人間の緋奈。
朝と夜の狭間で二人は交流していくのだが――

圧巻の文章力で各登場人物の心情や背景、自然の風景が描写されており、
物語の中へ溶け込むことができました。
特に後半の出来事に対する緋奈の激情には胸が痛みます。

天狗が関わる俗伝はたいてい悲劇に終わってしまうのですが、
混じり合った二人の世界がどんな結末を迎えるのか、ぜひお確かめください。

絶対に読んで損はしない濃密な短編です。

★★★ Excellent!!!

山の妖と里の人間との交流を描いた物語ですね。
一大絵巻の序章といった感じ。短いお話で、この後の物語を想像する余地も含めてひとつの作品と言っていいでしょう。
味わい深い文章のおかげで、日本的な「わびさび」が感じられますねぇ。それ故に、物語がこの先どうなるか多くを語らないというところに美を感じます。これを幽玄と呼ぶのでしょう。
この良さがわかったらキミも大人だ。

★★★ Excellent!!!

これはなんの和歌だろうと思うほどの美しい文の並びに冒頭からうっとりしっぱなしです。

うっとりしつつもハイレベルな文学に私にはちょっと難しいかもと読み進めていきます。
(だって魑魅魍魎とか出てくんの、書ける!?画数なんぼだよっ!)

ちなみに小タイトルの付け方がすっごい好き。
すっきりまとまった上に読んだ後に腑に落ちる感じ。
洒落てます。

人の子とあやかしの仔――。
光と影のように違う道を生きる二人がそれを理解し、それでも近付く距離。近付く心。
美しく的を得た描写説明で短い文なのに二人の距離が縮まっていく様がとてもよく伝わります。

そんなんでいつの間にかストーリーにも惹かれてさらに読み進めていきます。

そして、起承からのここに来ての「転」!
まさしく急「転」開!

最終的な感想は……

ええええぇぇxーーーおいおい続きはぁあああぁx!
もっと読みたいよぉぉぉ!続きがぁぁぁ!
えっ!?なにこれ!?完結済みなの!?
いやいや続きでしょーこれはぁぁ!!!

と、取り乱しましたとさ。

作者様に続編を強く希望します。

とても美しく、とても魅力的な物語でした。

★★★ Excellent!!!

 かつて、文豪たちが畏怖と幻想を綴った「山」の物語。
 情緒豊かで幻想的な言葉で綴られた物語に、私は文豪たちの幻想文学を思い起こしました。

 人間の少女と、天狗の少年の禁じられた関係は、切なくも魅せられます。
 どうか、この二人が幸せになりますようにと、期待をいだきながら読む方も少なくないでしょう。その結末は、その目で確かめてもらわなくてはなりませんが。




 古き良き幻想文学が好きな方は、是が非でも読んでいただきたいです。もちろん、そうでない方も、ぜひご一読を。

★★★ Excellent!!!

厳格な筆致で彩られる、山水画の世界。

そこは人ならぬものたちの領域だった。

禁じられた恋ほど、切ないものはない。
まだ「彼ら」にはそんな自覚すらないかもしれないけど。

ひとはその過信から、畏怖を単なる「恐れ」にしてしまう。
逆説的ではあるが、慢心が、本来神聖なものを見下して、恐怖のみが残るのだ。

そんな慢心にとりつかれた人々によって、物語は急展開を見せる。

しかし、そこにはさらなる――。

人ならぬものの御業は、やはりひとには分からない。

だから神おわすお山を、ひとは畏怖するのだろう。

そんなお話(分かりません

★★★ Excellent!!!

林檎飴の眼の少女と天狗の少年。
光と闇の相容れはしない世界に生きる二人が出逢い、夢の逢瀬を重ねた先にあるものは──。

美しい日本語で抒情豊かに綴られていく物語は、筆者様の真骨頂とも言えます。
多くを語らないからこそ余韻が深く、思いは物語の先まで想像の翼を拡げるようです。