山とはむかし神おわすところだった。
- ★★★ Excellent!!!
厳格な筆致で彩られる、山水画の世界。
そこは人ならぬものたちの領域だった。
禁じられた恋ほど、切ないものはない。
まだ「彼ら」にはそんな自覚すらないかもしれないけど。
ひとはその過信から、畏怖を単なる「恐れ」にしてしまう。
逆説的ではあるが、慢心が、本来神聖なものを見下して、恐怖のみが残るのだ。
そんな慢心にとりつかれた人々によって、物語は急展開を見せる。
しかし、そこにはさらなる――。
人ならぬものの御業は、やはりひとには分からない。
だから神おわすお山を、ひとは畏怖するのだろう。
そんなお話(分かりません