山とはむかし神おわすところだった。

厳格な筆致で彩られる、山水画の世界。

そこは人ならぬものたちの領域だった。

禁じられた恋ほど、切ないものはない。
まだ「彼ら」にはそんな自覚すらないかもしれないけど。

ひとはその過信から、畏怖を単なる「恐れ」にしてしまう。
逆説的ではあるが、慢心が、本来神聖なものを見下して、恐怖のみが残るのだ。

そんな慢心にとりつかれた人々によって、物語は急展開を見せる。

しかし、そこにはさらなる――。

人ならぬものの御業は、やはりひとには分からない。

だから神おわすお山を、ひとは畏怖するのだろう。

そんなお話(分かりません

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