暴れる風に吹かれ、希望の旗は靡き、読者はページをめくる——

 何が何でも読んでほしい、作品の一つです。
 
 登場人物の息遣い、彼らの鼓動、想い、願い、希望、絶望、悲しみ、戸惑い、怒り、愛おしい感情まで。
 筆者の魂を込め、作り上げられた、この作品。
 ———ウラガーン史記目録

 タグの『読めばあなたも虜になる』は伊達ではありません。
 一度その世界に入り込むと、ブルーライトの輝く液晶から顔を見上げた時、目の前に戦場が広がります。
 星屑の花の香りが辺りを覆い、聖女の瞳に飲まれていく。血飛沫に汚された龍の旗は風に靡き、馬が駆け、龍の唸る音がする。

 雨、夜、血の香り……この目録は少年の日常から始まります。
 孤児の少年、ニル。そして、フィンとの出会い———
 歴史が、動き始める。


 「これから先、どうなるかなんて、誰にも分からないわ。それでも、どうするかを決めることなら、誰にだって出来る。そうでしょう?」(「唇と髪」より引用)
 きっとその風は、希望を運んでいる。そう、願うのです———


 素敵な話を、ありがとうございます。
 

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