概要
道に迷い、彼等が辿り着いたのは男の夢が叶う楽園のような小さな村であった。
しかし、その村には恐ろしい秘密が隠されていた。
彼等は生きて村を出る事ができるのか。
※カクヨム運営様のご指導に従い、一部性描写をマイルドな表現に変更致しました。再度御指摘があった場合、早急に変更致します。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!一度足を踏み入れれば、抜け出せない。この村から? いえ、この小説から。
ホラーって、
グロかろうがなんだろうが大好き!鉈でも鋸でもどんと来ぉい!ってタイプの人と、
こ、怖いよぉ。でも怖いもの見たさで見ちゃう……っ!!!って人がいると思うんですよ。
で、私はどちらかというと、断然後者!!
もう怖くて怖くて早速今日の夢にも登場するんじゃないかって、いまから寝るのが怖いくらいなんですけど。
でも、これは本当に止まりませんよ。怖いけど止められない。
少しずつ読もうと思っていたのに、気付けば……!という。
抜け出せません。
この村からも、この小説からも。
『終わり』が来るまでは。
とんでもない作品に出会ってしまったと震えます。夏に読めば良かった! - ★★★ Excellent!!!この村の裏側に隠されているものとは。全ての物事には、裏がある。
車に乗って、気ままな二人旅をしていた、男子大学生達。
ところが道中、山で道に迷ってしまいます。
そこで辿り着いた先にあったのは、小さな小さな「灯籠村」でした……。
食事に寝床に、美女の奉仕。
まさしくそこは、地上の楽園。パラダイスの名に相応しい地でした。
二人は、まさに至れり尽くせりなおもてなしを受けますが……?
私個人の話を少しします。
私は今まで、ホラーというと、妖怪とか幽霊とか、そういう完全に人ならざる者のお話なのだと思っていました。
勿論それ以外のホラーがあることも理解していますが、潜在的な刷り込みのせいで、ホラーというとまずそれらの要素を連想しました。
ですが、今は違います。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!天国のような村に隠された真実
少しネタバレを含みます。
夏休みを利用して、車で気ままに旅をしていた二人の男子学生。しかし彼等は山中で迷い、ある村にたどり着く。
せっかくの旅行なのに、こんな事になって災難。と思いきや、その村は美しい女性たちが住まい、彼等を歓迎してくれる夢のような村だったのです。
寝床や美味しい食事を用意してくれて、温かい温泉にも連れて行ってくれる。しかもそれらは全てタダ。めったに人のやってこない村を訪れた彼等に、村の女性たちは手厚いおもてなしをしてくれたのです。
まるで天国のような村、パラダイスだ。だけど、こんなうまい話があるのでしょうか?
道に迷ってたまたまやって来ただけなのに、度を越えたおもてなし…続きを読む - ★★★ Excellent!!!人里離れた村の淫靡な風習
「古代に造られた地下神殿」とか「古流剣術を密かに伝える剣道場」みたいに男にとってどうにもロマンを掻き立てる舞台や状況というものがあります。
この小説もその一つの形と言えましょう。
滅多によそ者が来ないさびれたような山奥の村。
実際昔はそういった場所に旅人が訪れると新しい血を取り入れるために
若い女が夜伽に寝所に忍んで来る、なんて話もありますし、
島全体が遊郭だという村の話も聞いたことがあります。
そんな男の夢を形にしたような世界ですが、
山村には同時に陰鬱で閉鎖的なイメージも付きまとうものです。
この物語の主人公たちも「信じられないくらい良い思い」をするのですが
「うまい話には裏がある…続きを読む - ★★★ Excellent!!!読者を焦らすのも村の風習です
豪華な精進料理に、美女による奉仕、お代は一切頂きません!
その村は男性にとってのパラダイス!
……になるはずでした。
しかし、この作品のジャンルは「ホラー」。楽園の裏には地獄が待ち受けています。
読み進めていると、序盤は村人たちの怪しげな言動をちょこちょこ見るのですが、女性たちはなかなか狂気を出してこない。
「お、これはついに犠牲者か?」と思っても、その人物は後でひょっこり出てきたり、惨劇を渇望する自分のような読者を焦らします。
しかし、やっぱり後半は惨劇が行われていて一安心。読者を焦らすのも、この村に暮らす女性たちの風習であり、サービスなのです。 - ★★★ Excellent!!!おもてなしの裏にあるものは
旅行中偶然、灯籠村という村に立ち寄った大学生の拓海と茂木。その灯籠村と言うのが本当に良い村なのです。
宿に泊まればお代はいらない。食事は豪華なものばかり出てくる。まさに至れり尽くせり、ここは桃源郷か天国か。
……でもちょっと待って下さい。いくらなんでもそんなうまい話がそうそう転がっているわけがありません。
楽しい事ばかりが描かれているはずなのに、なぜだか読んでいくとおかしなところが目についてきます。実はこの村ヤバくないか?そうは思ってもなかなか種明かしはされず、ただ不安だけが積み重なっていきます。
果たして村が抱えている秘密とは何なのか?拓海と茂木は無事に村から出られるのか。
怖いのに真相…続きを読む - ★★★ Excellent!!!甘美な罠に取り込まれ、墜ち行く先は極楽か地獄か
主人公・拓海と友人・茂木の二人は、とあることがきっかけで『灯籠村』なる不思議な村に招き入れられたところから、既に怪しい香りが漂います。
というのも、異様なくらいの高待遇!
豪華な食事に素晴らしい温泉に無料の宿泊、それだけではなく美しい女性による夜伽まで!!
その内に茂木の姿が消えて、物語はどんどん不穏な空気に満ちていきます。
コメディもとても面白いのに、ホラーでもこんなにも心を惹き付けるとは……てるまさんの筆力は、本当に恐ろしい!!
閉鎖された空間で、じわりじわりと忍び寄る恐怖に、いつの間にか囚われてしまう――徐々に追い詰められていく拓海のリアルな焦燥感を、美しい筆致で是非味わって…続きを読む