概要
全身全霊で……いやちがうな、丹精込めて……でもないし、え? もう本番?
「仮想箱を説明するって男がいるらしいぞぉ、私がその男だ!」
『私はセンセイという名前を与えていただきました、ミカエル様に仕えるアンドロイドでございます』
絵を描く人の絵を描く人の姿を文章で示したのを読むように。
男は熱弁を振るうのかと思いきやデモムービーの再生ボタンを押した。
『仮想箱_synonym』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881092594
『私はセンセイという名前を与えていただきました、ミカエル様に仕えるアンドロイドでございます』
絵を描く人の絵を描く人の姿を文章で示したのを読むように。
男は熱弁を振るうのかと思いきやデモムービーの再生ボタンを押した。
『仮想箱_synonym』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881092594
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!知性の一ページをめくる
仮想箱なる装置が見せる、単一の世界と無数の解釈。
他の方々のレビューにもあるように本作は、著者の『仮想箱₋synonym』の導入として機能しており、仮想箱の一つである廃棄物処理施設での一幕にフォーカスされています。とはいえ、この「一つ」を読者に軽く流させないところが著者の凄さでしょう。冒頭で述べたように無数の解釈が生まれて、考察が絶えないのです。含蓄のあるテーマを短編に落とし込み、それでいて嵩張りを感じさせない。その技術力とセンスは一朝一夕で拵えることはできません。
センスで話を広げるならば、物語の展開も押さえておきたい点です。作中では問題提起が為されますが、これを紐解くパーツに衒学や持論…続きを読む - ★★ Very Good!!濃密なSFの序幕
タイトルにある通り、この作品は著者が連載中の「仮想箱」の説明書、つまり、序章的位置づけのものです。
しかし、序章とは言っても、一つのストーリーがこの作品内で完結していて(もちろん本編への広がりは持ったまま)、それが味わい深い読後感と本編へのさらなる期待をもたらしてくれます。
登場人物であるミカエルとセンセイ。
人間らしさを少しばかり過去に置いてきてしまった人間と、人間らしさを人間に教える為作られたアンドロイド。
チグハグな関係にも見える二人が、仮想箱という空想現実の世界に入った時、なにを感じ、なにを想うのか。それがこの「説明書」で語られます。
メタな語り手の存在も世界観に非常にマッチ…続きを読む