築かれる屍、生者に託される思い。それでも彼等はこの世界で生き続ける。


まずね、タイトルに惹かれますよね。
そして次に浮かぶのは「カネサダ」って誰の事?ってなりますよね。

この言葉が指すのは会津兼定、つまり一振りの刀なんですね。

よく刀とは武士の魂とは言いますが、本作ではキーとも言える立ち位置。銃規制により日本では基本的に銃は出回ってません。(猟銃を除く)ロメロ(監督)ウィルスが蔓延し、死に掛けと呼ばれるゾンビが徘徊する町で刀は有効な防衛手段として利用価値のあるものとなりました。

なら、北極星に向けろとは単に方角を指しているだけなのか?

否、それはご自身の目でお確かめ下さい。

ひとまず
「12話 永遠には生きられない 」まで読んでその意味を確認してみて下さい。

本作の特徴としてはホラーゾンビパニックというよりは、災害に近いゾンビハザードに対し、どう対処していけば良いか、サバイバル色の強いホラーになっております。

書き手さんの影響か、どこか体育会系の匂いのする男らしい作品で、直球的な表現は読者を選びません。取材や下調べをしたであろう箇所も最低限の説明に止め、読者の事を考えてくれています。

いくつかの出会いと別れを繰り返し、少年は星の下へと辿り着けるだろうか?

ゾンビ映画の定番的要素も散りばめられてますが、根底にあるのは少年の成長物語です。

そして刀の他にチート要素として、茶色いあれが出て来る訳ですが、これがある意味で一番強いかもです。

世界が反転した時、武道の心得がその道を切り拓く。刮目せよ、このゾンビサバイバル。

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