時代の変わり目、二百年の防国の任を解かれた一人の魔女が居た。


魔女、精霊石、蒸気機関車、狼男に黒い猫。
ファンタジーとしてオーソドックスな内容を含ませつつ、揺蕩う時代の移り変わりをしっとりと書き上げた挑戦的なノストラジックロマンファンタジー。

全体的にゆったりと流れていく物語の中で、時折スパイスとして非情なダークマターを生地に混ぜ込んでくる真野てんさんのやや焦げた手作りクッキーと言ったところでしょうか。(←何を言っている?)

二百年という時の中、魔女のメィルゥは彼方の時の中で交わした人々の約束や思いを継ぎ、時代を次へと引き渡した。自由の身になった彼女は自分が何を守り続け、そして何が変わっていくのかを見届ける為に世界を巡る。

その先で彼女が出した答えとは?
どうしようも無く愚かでそして愛すべき人間。

彼等は防国の英雄の目に何を映し出すのか。

魔女とは?魔法とは?世界とはなんだ?
ちょっぴり不意にダークです。

ネタバレしないように私が語れるのはここまでです。
精霊物語れないです。

婆を語りつくしているのは間違いありませんが。

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