近代化の光と影を丁寧に描いた、大人のためのファンタジー

200年もの長い間「救国の魔道士」として活躍をしてきたメイルゥが、任を解かれて新天地で生きていく、その道程の物語。

メイルゥと、新天地に向かう列車の中で出会った青年フレッドとの恋模様に着目する読み方もありますが、私が特に注目したのは、この作品に込められたある種の皮肉……風刺のような部分でした。

ネタバレ回避のためどういう部分かというのは伏せますが、M.エンデの『モモ』が好きな人には特に感じるものがある作品です。
もちろん『モモ』みたいに長い作品、読んでられないよ!っていう方にもお勧め。

「時代と戦う」
この意味がずしんと心に響く名作です。

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