変わりゆく時代。ファンタジーからスチームパンクへ

このお話は魔道士として200年国を守ってきたメイルゥが、お役御免となり在野にくだり旅をする話です。

読んでみて驚いたのが、圧倒的文章力と重厚な世界観、そして魅力的なキャラクターたちです。隙がありません。
特に目を引くのが重厚な世界観。
戦争の同盟国から技術や単位が流入し、精霊石採掘の産業が興り、時代はまさに混乱期。
そのひずみは当然のように現れます。難民同然の外国人に、戦争孤児、ゴロツキに浮浪児、鉱山からの虐待から逃れてきた子供たち。
その苦境にあえぐ人々を正面から書き切っている様に感銘を受けました。

またキャラクターも魅力的です。
主人公のメイルゥは、魔力(ルツ)の濃度によって若返ったり、年老いたりする性質の持ち主。若いときは妖艶な美女で、美貌の迫力にごくりと喉が鳴りますし、おばあちゃんの姿になるとおもわず手を差し伸べたくなるほど可愛いです。
名前のないキャラも生き生きとして、物語を読む手が止まりませんでした。

今このレビューを書いている時点では第五話まで発表されています。
ハイファンタジー好きの方、ぜひ本作を読んで、時代の過渡期を一緒に見届けましょう!

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