歴史の裏舞台に纏められていたミステリーのルネサンス(文芸復興)☆

舞台は中世のフィレンツェ。メディチ家という名を歴史の教科書などで目にしたり耳にしたことはあるかと思います。そんな歴史の裏舞台で起きていた殺人事件を、三人のメインキャストの視点から追いかけた極上のミステリー作品☆

当時の体制や政治の絡みなども出てきますが、決して難しく構える必要はありません。作者様の軽快な筆捌きとコミカルな表現のおかげで、何の苦も無くスムーズに読み進めることができます。フィレンツェの優雅な建造物や一面に広がる葡萄畑の景色、禍々しいスラム街の裏の顔など、本筋以外の部分でも大いに想像を膨らませながらフィレンツェを旅することができると思います。登場人物は多いですが、それぞれのクセを上手く引き出してイメージしやすく描いているというのもポイントです。特にメインキャストの三人は魅力満載。豊富な経験と知識で真相に迫る表裏比興の彫金師ジャンニ、妥協を是としない直情径行の熱血漢レンツォ、若さに任せて抑制の効かない血気盛んなミケランジェロ。誰かしらに気持ちを預けたくなること間違いなしです。

事件簿なので、他の事件も覗いてみたくなります☆

その他のおすすめレビュー

愛宕平九郎さんの他のおすすめレビュー2,400