ゆるふわ天然系でも芯の強いお姉さん、冷静沈着ツンツン系でも憎めない妹、その間に挟まれて心を揺れ動かす優柔不断なようで「内面では相当に自信家」の男の子。シンプルなはずなのに複雑に絡めようとする主人公の意思と行動に、読み手もハラハラドキドキしてしまう奇妙な三角関係の物語。
読み手に理解させる地の文と会話文、そして読み手に理解させようと敢えて書かない空白の部分。このバランスが絶妙で、エピソードを読み重ねていくうちに脳内で色々なストーリーを勝手に打ち出す楽しさを持たせてくれる。それでいて「そうきたか!」と予想を上回る展開を残してくれる。読み手を飽きさせない工夫が、各所にたくさん散りばめられている。
大切な人を失った時、あなたならどうするか。人の死に対する向き合い方の一つの選択肢を教えてくれる素敵な作品です☆