河童という難しいテーマですが、視点の切り替えがこまやかで言葉そのものにも力があるので非常にわかりやすいです。二十首の短歌の中でここまで出来るのかと驚きました。また人間は立ち位置次第で性質が全く変わってしまう生き物なんだなということを改めて感じる作品でもあります。読む前の印象と全く違っていたというか、いい意味で裏切られました。
夢か現か幻か。一つ一つの歌に「君」の魅力と畏怖が詰まった短歌集です。ほのぼのとした始まりから、どことなく切なさが込み上げてくるラストへの変遷に、ジワリと心に沁みてくる読後感をお楽しみ下さい☆