あなたにも、「クロムイエロー体験」を

「15センチ」をキーワードにしたコンテスト。

いくつか読みましたが、この使い方はおそらく
誰にも思いつかなかったことでしょう。

誰もが、その斬新性や独創性に驚き、
「こう来るか!」と感じさせられるはず。
柔道なら「一本!」と主審が手を上げてます。

でも、これは小説のコンテストでもあるので
「お題消化の上手さ」を競うのは
作品全体のほんの一部だけのこと。

じゃあ、作品はどうなの?

……はい。いいです。

「みずみずしさ」や「やさしさ」や「純粋さ」
が行間の隅々にまであふれています。

これは作者の人となりによるもの――つまり、
「愛」とか「生命」とかいう曖昧なものへの
作者の回答が詰め込まれた1万3000字。

適度に描き込まれ、さりとて過剰ではない文体で
いくつもの色で全体を染め上げながら
ナイーブな物語を展開させる。

――お見事でした。

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