あなたにも、「クロムイエロー体験」を
- ★★★ Excellent!!!
「15センチ」をキーワードにしたコンテスト。
いくつか読みましたが、この使い方はおそらく
誰にも思いつかなかったことでしょう。
誰もが、その斬新性や独創性に驚き、
「こう来るか!」と感じさせられるはず。
柔道なら「一本!」と主審が手を上げてます。
でも、これは小説のコンテストでもあるので
「お題消化の上手さ」を競うのは
作品全体のほんの一部だけのこと。
じゃあ、作品はどうなの?
……はい。いいです。
「みずみずしさ」や「やさしさ」や「純粋さ」
が行間の隅々にまであふれています。
これは作者の人となりによるもの――つまり、
「愛」とか「生命」とかいう曖昧なものへの
作者の回答が詰め込まれた1万3000字。
適度に描き込まれ、さりとて過剰ではない文体で
いくつもの色で全体を染め上げながら
ナイーブな物語を展開させる。
――お見事でした。