不思議なぐらいに痛くて心地いい

読み終えたとき、「ふぅ」とため息が出た。

これは、「すこしふしぎ」な作品である。
ということは「SF」だといえる。
この世にあらざる姿の悪魔が出てくるのだから、
フツーに考えたら「ファンタジー」である。
読み進むうちに謎が深まっていくしずっと気になるから、
その意味では「ミステリー」である。
高校生男子を主人公にした物語だから学園モノだし、
女の子を好きになるから恋愛モノでもある。

なんだか、昨日の夜に確かに見たんだけど、
ダイナミックでスリリングで荒唐無稽な展開するんだけど、
全部をくっきり覚えてるだけど一部しか覚えてないみたいな夢。
起きたらパジャマが脂汗でべっちょり系。
そんな夢が形になったような浮遊感(のようなもの)が
不思議なぐらいに痛くて心地いい小説です。

ところで、作中の悪魔とは誰か。
それはもちろん、作者だったりするんだろうな。

(レビューを書き終えて、また「ふぅ」とため息)