残悔のリベラル -under the "in the sun"-

作者 睡蓮たしぎ

安寧で装飾された死刑台でくらす子供たちと、それを見守る女性の葛藤の物語

  • ★★★ Excellent!!!

臓器提供させるためにつくられた子供たちと、彼らに最大限の人権をあたえるためにつくられた楽園、そして彼らをすこやかにそだてるという職業についているヒロイン。みっつの要素をならべただけでも、作中にうまれる緊張や葛藤がつたわるとおもいます。

子供たちに寄りそうがゆえに袋小路に陥りがちなヒロインの視点で、徹底的に情報統制された世界を描きだす、ルビを駆使した文体が、作品に重層的な味わいをそえていました。

物語はいま、次第に表出してくるさまざまな問題と、それらがみちびく緊張感のなか、無力な凡人のように振るまっていたヒロインが、世界の在り方にふかく関わることになる予兆がしめされたところです。
安寧で装飾された死刑台でくらす子供たちと、それを見守る女性をえがいた葛藤の物語がどこにむかっていくのか。続きを拝読するのがたのしみな作品です。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

その他のおすすめレビュー

★★★ Excellent!!!

世界が滅びて60年後の、全てを政府に管理された新たな世界。主人公である雪白ホムラは、「講義」に間に合うようにと朝の身支度を急いでいる。まだ若干二十一歳の彼女は、実は講義を受ける側ではなく行う側の人間… 続きを読む

望月結友さんの他のおすすめレビュー 49