アトランティスのつまようじ

作者 関川 二尋

261

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★★★ Excellent!!!

たまたま、この作品を見つけて、評価も高いし、紹介文を見てもおもしろそうなので……。とそんな軽い気持ちで読んでみましたが。

ものすごい作品です!
私の中では、いまの★の10倍くらいの評価があっても良いのでは、と思うくらいです。

アトランティスのつまようじ。
タイトルだけでは意味は分かりません。

中身を見ると、刑務所に閉じ込められた一人の壮年の科学者が脱獄を志す現代の話と、彼の生い立ち。それから一見何の脈絡もなさそうな、はるか未来の一人の少年の話。
それが、各章にそれぞれ散りばめられています。

それらが同時に進んでいって、どう絡み合うのかなと思ったら「そう来たか!」と素晴らしさのあまりうなってしまいました。

脱獄の本編も魅力的なのですが、主人公を取り巻くキャラクターたちも魅力的。さらに不遇な人生ながらも、腐らなかった主人公の強さ、号泣もののフィナーレ。
「アトランティスのつまようじ」とは一体何なのかも、ご自身の目でお確かめください。

そして最後に、この話を通じて、作者さまが訴えたかったメッセージとは?
私自身もとても考えさせられるものがありました。

ネタバレになってしまうので、これくらいにさせていただきますが、最後に一言。
本当に読まないともったいない、いや読むべき作品です。
素晴らしい読書時間をありがとうございました。

★★★ Excellent!!!


 なんと主人公は刑務所に入れられた天才科学者、ただし世渡りは下手なおじさん織田輝男。これは、彼の脱獄の物語である。

 脱獄。それは彼を閉じ込めた刑務所からの脱出であり、彼を迫害する者たちへの復讐であり、そして自由への逃亡である。


 その脱獄劇へ、幻の大陸アトランティスが絡み、さらにそのアトランティスから来た「つまようじ」からこの物語は始まる。
 いや、輝男がそのつまようじを手に入れた時にはすでに、この物語は始まっていたと言えるかも知れない。

 果たしてタイトルにある「アトランティスのつまようじ」とは何か。幻の大陸アトランティスは実在するのか? 実在するのならば、それはどこに?

 そして、脱出不可能の刑務所に収監されている輝男は、どうやってそのアトランティスの謎を解くのか?


 とにかく壮大な物語です。時空を超え、常識を超えて展開する大脱出劇。
 簡易な文章で書かれた、まるで童話のような表現。その中に描かれる人間の愚かさや妬み、恨み。

 そもそもが、なぜ天才科学者である織田輝男が収監されなければならないのだろうか? そんな世の中の矛盾と戦うおっさんの冒険物語。しかも舞台はほとんど刑務所の中。



 長い作品なのですが読み終えたことで、小説を書くこと、そして物語を紡ぐことに関して、すごく勉強になりました。

★★★ Excellent!!!

囚われの天才発明家は、嘆いていた。人間は、なんと愚かで幼稚なのか。だが彼は、諦めてはいなかった!
仲間の囚人達(天才科学者)や大切な友人と力を合わせ、彼ら(ペット含む)は理想郷を目指す。謎の大陸にして約束の地、はるかアトランティスへ!

その伝記で語られるのは、愛されずに育った一人の少年について。
「テルオ」は気高い魂と優しく純粋な心、そして天才的頭脳の持ち主。辛く孤独な生活の中で生涯の友を得た彼は、苦労を重ねながらも成長していく。だが、世界はやはり理不尽だった……

犯罪の無い世界で2百年ぶりに出た犯罪者、「スケイプ」。
彼の半生を綴った作文を元に審議した結果、スケイプに科された罰とは。そして新たな生活で経験したのは……彼はある決断を下し、最後の作文を綴る。

3つの独立した物語が、たくさんの謎を散りばめながら同時に進む。それらが徐々に絡み合い、時に前後し、次々に謎が明かされて、気の遠くなるような壮大な結末へと収束していく。
……なんて書くと難しそうですが、とても読みやすくめちゃくちゃ面白い、胸躍る冒険活劇なんです!
7千年にも渡る謎、魅力的な登場人物たち、手に汗握る奇想天外な物語を、是非お楽しみください!

★★★ Excellent!!!

 科学の発達は、本来は人々の幸せのために使うべきもの。
 でも実際の世の中では、人々を苦しめるために使われることが多く、発明した人は良心の呵責に苦しめられています。

 なぜ人は、そんなにも愚かなのか……
 けれど、この物語で主人公の輝男は、あきらめずにアトランティスと言う人類の未来の理想郷を目指して突き進みます。
 
 三部構成となっている本作品。
 輝男と200名の科学者達の脱獄の顛末。
 アトランティス生まれの少年の生涯。
 輝男と友人達の生涯。
 そこに張り巡らされた伏線の数々。
 最後にパズルのピースがピタリと嵌った瞬間、その爽快感と壮大な世界観にため息が出ることと思います。

 そして作者様の人類に対する温かい目と、希望を捨てない強いメッセージを感じるはずです。

 体感したい方は、是非読んでみてください。

 ミステリーが好きな方 
 科学やSFが好きな方
 神話や歴史が好きな方
 奥深い人間の感情を抉るドラマが好きな方

 そんな皆さんを絶対に楽しませてくれる物語です。

★★★ Excellent!!!

『アトランティス』の『つまようじ』。
この、一見すると結び付きのない2つの言葉が組み合わさったタイトル。
これだけで気になるし、もう面白そうでしょ?
面白かったですよ!! めちゃくちゃ面白かったですよ!!

天才的頭脳を持つ科学者たちが囚人として捕らえられた収容施設。そこからの脱走計画を主軸に、主人公・輝男の過去、そして未来の世界で刑の執行を待つ囚人、3本のストーリーが絡み合って進行していきます。

個性的な登場人物たちと、緩急ある展開に彩りを添えるどこか詩的な感情表現。
未知の大陸への夢と、科学の進歩の行き着く先と、人の心と。
キーアイテム『アトランティスのつまようじ』によって解き明かされていく謎に、読む手が止まりません。
壮大でロマン溢れる新時代の叙事詩のようでもあります。

ダイナマイトを発明したノーベルは、それが戦争に使われることを望まなかったはず。
素晴らしい技術も大きな力も、使い方によっては善にも悪にもなり得ます。
3つのストーリーが1つに繋がった時、人類の遥かな歴史と、その中にある織田輝男という1人の科学者の人生に、気の遠くなるほどの想いを馳せたくなることでしょう。

心の底から面白かったです!
本当に素晴らしい作品でした!

★★★ Excellent!!!

研究所(刑務所)というパラレルな場で、天才科学者(囚人)達が織りなす華麗なる脱獄劇。

科学者ならではのスマートな手法、それを可能にする者たちの熱意と底力は圧巻です。

脱獄の筆頭・輝男の半生は苦労の連鎖反応。しかし、絶望の闇を味わい尽くしながらも、そこから一筋の光明を見出す天才。それが輝男なのです。

経験故になのか、生来の性質なのか、何処か打たれ強い。絶望に飲まれ諦めかけた瞬間もあったかもしれません。それでも懲りずに、不死鳥の如く立ち上がり羽を広げる様は何とも格好いい。

更に、偉大な科学者ほど苦悩してきたであろう事も、輝男に投影されています。熱いメッセージが三つの物語と共に編み込まれ、祈りの様な物語に仕上がっており、感動しました。

文明の利器は本当に人を幸せにするのだろうか。答えは出ずとも、人類が絶滅するまでの間、目を背けてはいけないテーマに思えてなりません。

最後に、脱獄を果たした輝男は、少年の様に肌もツヤツヤしていたのでは? などと想像せずにはいられませんでした。なにせ、三重螺旋構造(コラーゲン )の物語に包まれたのですから。これは瑞々しく弾力のある、力強い物語なのです。

★★★ Excellent!!!

天才科学者達はある理由によって投獄されたが全員で脱獄を企てアトランティスを目指します。アトランティスは実在するのか他の者には疑問がありましたが主人公・織田輝男には決定的なある証拠があったのだ。
現代のみならず過去と未来も混ざったSF脱獄作品です、とにかく生き残れ!

★★★ Excellent!!!

二百人の天才科学者たちが、それぞれの頭脳を駆使し、収容されている施設から集団大脱走!
…と、これだけでも映画になりそうな一大エンタメの気配がしますが、本作は脱走するだけにとどまりません。
彼らが目指すのは、はるか昔に海中に没したと伝えられる文明大陸・アトランティス。
主人公・輝男は、その伝説に魅せられ、その存在を裏付ける証拠を手に入れます。

彼の天才的頭脳を正しく使えない人類のもとから脱し、未知の可能性を秘めた伝説の大陸へ。
物語は、輝男の脱走劇の進行に沿って進みますが、輝男の過去・はるか未来の世界の話まで、同時進行で語られていきます。
過去・現在・未来が同時に進みながら、脱走の顛末、それに伴う数々の謎を明らかにしていくのです。

広い世界を横軸に、時空を超えた長き人類の物語を縦軸に。
三つの時代の物語が、時に混ざり合いながら、同じ地点を目指して帰結する瞬間の快感は、もちろん読んだ人にしかわかりません。

私は本作と、同作者の別作品『ボーイズダイアリー』を読んで、長い時を描く、登場人物の半生史っていいな、と思うようになりました。
幅広い年代を掘り下げるので難しそうですが、いつか書いてみたいテーマです。

人類普遍の重い問題を取り上げながらも、コメディを織り交ぜながら軽いタッチで読みやすく描かれるのはこの作者の持ち味ですね。
映画のような、壮大かつ爽快なエンタメをぜひ味わってみてください!

★★★ Excellent!!!

大罪人として閉じ込められた科学者たち。
その中の一人輝男は、脱獄を決意します。
しかし彼らが住める場所は地球上どこにもない……そんな中彼は、まだ誰も見つけたことがない『アトランティス』への移住を提案するのです。
彼は実は、アトランティスに行ったことがありました。
しかも、証拠品も持ってました。
それが今作のタイトル、『アトランティスのつまようじ』。実はこれ、ダイヤモンド。しかも不可能であるはずの「二次元の傷」がついていて、しかもしかも「アトランティスについて」のことが書かれていたのでした。

輝男は、順風満帆な人生を送ってはいませんでした。
母や「おばあちゃん」は無関心、教師からはいじめられます。弁明しても「嘘つき」と呼ばれ、泣いても笑っても否定される。
言葉とは、ちっとも便利でもなくて、不確かで、簡単に踏みつけられるものです。
でも彼は、暴力よりも言葉の力を信じ続けます。


輝男は発明の天才ではありますが、あまりに真面目な人間なので、お金を儲けようとして発明するのはとても下手くそです。
ただ、好きな女の子やお世話になった人にプレゼントしたかったのです。この物語は、「大切な人を助けたかった」ために脇目も振らず研究し、そして政府によって悪用され、大罪人となった科学者が多くいます。
科学者たちがいなかったら悪いことはなかった。そうかもしれません。
でも、「大切な人への手紙を書くこと」を、「悪」だなんて言えるでしょうか。

人が人へ伝える方法は、言葉だけじゃなくて、
音楽だったり、料理だったり、演技であったり、物であったり、結果であったり、ただそこにいて、視線を交わすことだったり。

長く語りましたが、世界は実は狭くて単純で、誰かに何かを伝えたくて、何かをなそうとしているだけなのかもしれない。
「アトランティスのつまようじ」もまた、手紙であったのだから。

★★★ Excellent!!!

脱獄ものだけど、SF要素わ絡めた異色作です。

悪い科学者として閉じ込められた人々の脱獄ストーリーです。


タイトルのセンス。途中で意味は説明されます。

キャラそれぞれの名前も由来があってこってます。
各キャラたちの背景が深いです。登場人物たちの過去、設定、いいです。

軽快な語り口がいいです。文章うまいです。


伏線、見事な構成。
交差する人間ドラマ。

メッセージ性もあります。

意外な展開。
謎も散りばめられていています。

力作でした!

★★★ Excellent!!!

何がすごいって、この作品3つの関連のある個別のストーリーが同時進行していくからすごいのですよ。天才科学者輝男の現在と過去、そして手帳に描かれた謎のストーリー。人称の違いを解決するために考え出されたそうですが、これほど脳を刺激しながら完璧に計算されつくされたパズルのように組み合わさるストーリーがあったでしょうか。3つ同時進行、間違うと頭がこんがらがりそうですが、心配ご無用です。とにかく読みやすいですから。そして、1章が終わるころには作品にくぎ付けでした。
ストーリーにたくさん隠された謎、秘密、カギ。それらを拾い集めながら、物語の核心に迫っていく感覚は快感としか言いようがありません。なんでこんな面白いストーリーを思いつくのでしょうね。
SF要素もふんだんにありますが読みやすく、アプローチもユニーク。とても好みの文体で最後まで楽しませていただきました。とってもおすすめです。読んでいかれませんか?

★★★ Excellent!!!

この物語は宇宙規模に大きく、それでいて極小に小さい。
この物語に登場するキャラクターたちは世の中を乱す凶悪的なことをしていて、その発想はどこまでも平和的な思想から生まれている。


何が言いたいかというと、この作品はとても面白かった。
少しでも興味がわいたなら、ぜひ読んでみてもらいたい。

おそらく、この結末は誰にも予測できない。

★★★ Excellent!!!

物語は輝男という一人の天才科学者が、優秀だけれど危険な発明をする人々が幽閉されている研究所から脱獄を計画するところから始まります。

彼は誰よりも優しく、周りに傷つけられてもやり返そうとはしない、平和的な人間です。
だからこそ、彼はいつも人を幸せにするための発明をするのですが、その発明を悪用する人間が時おり現れて彼を苦しめてきました。

現代社会に居られなくなった彼が仲間たちと目指すのは、子供の頃から夢だったアトランティスという理想郷です。

果たしてアトランティスはどこにあるのか。

この物語は科学者たちの脱獄という冒険と並行して、アトランティスの手がかりとなるとある少年の手記と、さらに輝男の半生が描写され、一つの壮大なストーリーとなっています。

伏線がいくつも張り巡らされ、パズルのように組み合わさって、過去と未来の出来事が語られる度に少しずつ物語の秘密が明かされていきます。

情報の与えかた、手がかりの出し方がとても上手いと感じました。

またどの主要キャラクターにも人間味があり、暖かさを感じるのも楽しみのひとつです。

貴重な読書体験ができました。

★★★ Excellent!!!

物質の大きさについて考えたことがあろうか。

私は子供の頃に「ゾウが自分の足を登ってくるアリに気付くだろうか」と考えたことがある。
逆に「アリは自分が登っているものがゾウの足だという事を知っているのだろうか」とも考えた。

大きさに限らず、全てのものは相対的な事に振り回されている。

それに気づいたのは幼稚園の頃だ。確か4歳だったと思う。
私は母に訊いた。
「100円って、高いの? 安いの?」
母はこう答えた。
「このゴマ一粒が100円だったら安い? このお家が一軒100円だったら高い?」

私はこの母の回答に『相対性』という概念を見出した。
勿論そんな言葉は知らないが、概念として『理解』した。

この物語に出てくることは『相対値』で考えられることがとても多い。
物質の大きさ、温度、美醜、幸福度、頭の良し悪し、強さ、実体と空想、社会的地位、人の価値観、善悪の判断……数え上げればきりがない。

『壮大なスケールで紡がれた科学者たちの脱走劇』というのが恐らくこの話の筋なのであろうが、実は読者の価値観が試されているのではないかという気もする。
――あなたは、この話をどう読みますか?……と。

★★★ Excellent!!!

マイナージャンルといわれるSFのジャンルにも、胸をうつ至極の作品があることを認識させてくれる作品です。

ストーリーは、ある科学者の脱獄物語を、三つの視点から描いた特殊な構成をしています。

最初は当然、バラバラに展開していきますが、ラストに向かって一つの形になっていく様は、まさに驚きと感動以外にありません。

ストーリーの背景にも細かな描写が挟まれており、それが積み重なってヒューマンドラマを形成している点も見逃せない部分ではないでしょうか。

科学が人の夢を実現させたとしたら、果たして人は科学を元に成長したのかというテーマも興味深いものがありました。

一人の科学者の半生と脱獄ドラマ。涙なしにはラストを迎えられない極めて良質な作品です。ぜひ万人向けにオススメします!

★★★ Excellent!!!

閉じ込められた200名の科学者、彼らは自由を奪われ世界に利用される存在と成り果てて。

しかし、テルオを筆頭とする彼らの情熱は消えることなく。30年後、全員で監獄からの脱出を成功させる。
目指した場所はなんとアトランティス大陸!

三つの物語は相互作用により魅力を増し、わたしの想像を遥かに超えた展開を楽しませてくれました。理論についての説明もわくわくしました。

そして、みんな素敵なキャラでした。役割がはっきりしていて、全てが生き生きしていました。

個人的には、虎子がとても爽快でした。龍次も鋭子も魅力的。
彼ら3人の小学生時代の出会いも、何年経っても変わらぬ友情もとにかく素晴らしかったです!

★★★ Excellent!!!

とても純粋な心を持つ天才科学者が起こす脱獄劇は、現在を嘆く作者の心の叫びでしょう。
みっつの時間軸からなる構成は、しっかりと練られていて迷うことなく読み進めることができます。
その三つからなるそれぞれの中心人物は、全て純粋な心を持っています。
なんとしてでも貶めようとしてくるもの達から守ってきたのは、自分の心。
疑うことのない純粋で真っ直ぐな心が、周囲の人々を惹きつけ、アトランティスへの道を開いていきます。

彼は、今も私達の起こす全てを見続け、心を痛めていることでしょう。
その心の痛みが少しでも和らぐような世界へ、一歩ずつでもいいから進んでいきたいものです。

★★★ Excellent!!!

みんなみんな、みんな……叶えてくれる。作者様の不思議な筆力で、読み手が抱く夢や希望を叶えてくれる素敵な小説☆

人の善意や悪意を背景に生み出される事件や社会情勢、そして人間そのものの本質が、時にコミカルに、時にシリアスに読みやすく表現されているので、長い字数でも時間を忘れて没頭できます。

三方面からの視点で、アトランティスの世界が繰り広げられているのも面白い構成だと思います。それが、終盤に向けてジワジワと繋がっていくのも読みどころの一つ!

ラストは気持ちもホッコリ☆
オススメです!

★★★ Excellent!!!

謎の大陸アトランティスをめざし
天才科学者たちが脱獄をする大きな物語を主軸として
3つの物語が語られ、次第に交錯していく。

一つは主人公テルオの幼少期から青年時代。
もう一つは過去か未来なのか誰なのか、最初は謎である。
丁寧に糸がほどかれ、明かされた秘密が全体を包み込んでいく。

随所に暴力への抵抗が描かれているのも読みどころ。
言葉の暴力、無視する暴力、殴り蹴る暴力。
暴力には暴力で返さないと気が済まない風潮の世の中で、主人公は決してそれを望まない。
それは負の連鎖になっていくだけだから。
平和のために、大切な人のために発明品を作っては、悪のための道具として使われていく悲しみ。
人の善意と悪意についても思いを巡らせてしまいます。

戦争のきっかけも小さな火種から大きくなっていく。小さいうちに消していきたいね。
それにしても、こんな荒唐無稽なお話、どうやって一人の人間から生まれるの?
作者さま、あなたは本当はラストに出てくる人物なのではないかしら。

★★★ Excellent!!!

物語中盤に出て来た言葉だが、とても印象深い。

一貫して子供から大人まで楽しめる話ではあるが、この優しいお話から生み出されるピリリとした風刺にぐらりと来た人もいるのではないだろうか。

おとぎ話、いや説話といってもいいかもしれない。だれにでも分かるようにも噛み砕かれている。だからこそ伝わるし、考えさせられる。

★★★ Excellent!!!

 天才科学者達が繰り広げる脱獄劇、というだけでも楽しいのに、この作品には様々な魅力がぎゅうぎゅうに詰め込まれていて、とても語り尽くせません。

 三つの物語が進むにつれて、ピースがカチカチとはめ込まれ、壮大な物語として広がっていく楽しさ。
 SFと脱獄、というわくわく感。
 コミカルなシーンの中に流れる優しさ。
 人の心を抉りだす時のリアルな質感。
 立ち止まって考えてしまうメッセージ、など、など……。

 これだけの要素が読みやすく紡がれていることに、読みながら驚いてしまいました。

 ラストも、好きです。
 しばらく作品世界に浸り、色々と考えていました。
 とても素晴らしいひとときを過ごさせて頂きました。

★★★ Excellent!!!

 三つの物語が並行して語られますが、混乱するところは全くなく、絵文字がついているので一目瞭然です。『手帳の中の物語』は文体で世界観が表現されていて感心させられます。

 肝心の脱獄を描いた『脱獄物語』は愉快で頼もしい仲間達に囲まれているので、物々しい雰囲気はなくほのぼのとしています。読後感も極上です。

 緻密に計算しつくされた構成は圧巻です。また、平易な文章で深い物語を書けることを教えてくれる作品です。

★★★ Excellent!!!

★3つでは足りません。
書籍化されてもおかしくないくらい完成度の高い物語です。
作中に登場する研究者の頭の中を見てみたい欲に駆られます。
それと同時に、作者様の頭の中も見てみたいです。
なぜこんなにも壮大な物語が書けるのか。
伏線を張りに張って、鮮やかに回収する手法が、読んでいて気持ち良いです。
「読書の秋」にこの作品はいかがでしょうか?

★★★ Excellent!!!

物語の主題は「脱獄」ですが、現在・過去・未来という複数の時間軸をまたにかけた壮大な冒険活劇。

主人公の輝男は大学で物理を専攻したけれど、厳密には科学者ではなく発明家。数々の業績を上げ、ノーベル賞を受賞しながらも現在はなぜか刑務所に入っている・・・・・・というところから物語は始まりますが、冒頭からグイグイ引き込まれます。

スケールが大きいことは序盤でうかがえますが、こんなに壮大な展開になるとは予想もしませんでした。そして終盤で提示される人類史上のいくつかの謎への答えも興味深い。3つの視点が複雑に絡みあう構成ながら物語の筋は分かりやすく、冒険要素やアクションシーンも満載で少年漫画のようなノリで楽しめます。

ぜひご一読あれ。

★★★ Excellent!!!

舞台となるのは天才科学者たちを集めた国立総合科学研究所……という名の刑務所。
刑務所といっても生活に不自由はないし、研究活動も好きなだけできる。ただ外に出るだけは認められていない。
そんな刑務所の中に閉じ込められていた科学者の一人、織田輝男はそこから脱走を企むのだが、ただの脱走ではない。
研究者200人全員を巻き込んだ大脱走だ。

しかも彼らの脱走の目的地は、幻の大陸アトランティス!

この輝夫の語り口調が大変軽妙で読みやすく、さらにエピソードを短く区切っていくので大変テンポよく読み進めることができる。
個人的にはSF作家カート・ヴォネガットの小説を思い出しました。

この輝夫と仲間たちの脱走計画だけでも十分に面白いのですが、本作はそれ同時に、アトランティスで暮らすスケイプという少年の物語、そして謎の人物が書いた輝男の過去を書いた伝記が同時進行で綴られていきます。

最初はバラバラに見えたこの3つの話が、物語が進むにつれて絡まり一つの物語に収束するという構成は実にお見事!

(必読!カクヨムで見つけたおすすめ5作品/文=柿崎 憲)

★★★ Excellent!!!

主人公の現在と過去が複雑に絡み合い、伏線となる。
テンポのいい文体に、サクサクと読み進めることができ、その情景描写と心理描写に引き込まれます。

天才科学者たちの壮大な脱獄劇。

その世界観にどっぷりはまり、夢中になれる。

本格派、エンターテインメント!


(第五幕 テルオの伝記⑤まで拝読後のレビュー)

★★★ Excellent!!!

天才科学者が主人公ながら小難しくなく、心理戦もアクションバトルもある。複数の時間軸で物語が展開されるにもかかわらず、複雑すぎず、中心にあるテーマが揺らがないので、するすると読めました。何よりテーマそのもの、そしてエンターテインメント性の高い物語の運びが秀逸で、面白かったです。

★★★ Excellent!!!

 これはただの脱獄話ではありません!!
 主人公の現在と過去、そしてもう一つの話が複雑に絡み合い、繋がっていきます!
 この構成と技量は見事の一言!

 さらに、作中で展開される登場人物の主義主張、そして仮説や考察についても「なるほど!」と思わせるものがあり、SF作品として楽しめ、感性を刺激するものでありました。

 一読の価値ありです!是非一度手に取ってみてください!

★★★ Excellent!!!

大作というのはこういう作品のことを言うのだろうと思います。

タイトルにもなっている「アトランティスのつまようじ」。
実際にはつまようじより大きな、ダイヤモンドでできた美しい物体です。
過去にアトランティス大陸と思われる場所でそれを見つけた主人公の天才科学者・輝男。
彼がこの物体に刻まれたスケイプという人物の記録を解読したところから、謎に包まれたアトランティス大陸の過去と現在、未来がつながっていきます。

そしてそのアトランティス大陸の歴史に非常に大きく関わるのが、物語の中心となっている輝男と二百人の天才科学者たちのドタバタな脱獄劇です。
天才ゆえにその才能から生まれた発明品を悪用された科学者たちは、表向きは快適な研究所である刑務所に集められ、閉じ込められています。
輝男もまたその研究所に三十年も閉じ込められていたのですが、アトランティスのつまようじに刻まれた記録を解読したことが発端となり、科学者全員を引き連れた壮大な脱獄計画を実行にうつしていきます。

天才科学者たちならではの発明品を使った脱獄劇は、多くの波乱を巻き起こしながら、ユーモアたっぷりに進んでいきます。
彼らは全員無事に脱獄し、アトランティス大陸へ辿り着けるのか──。

これだけ書いても作品の面白さ、素晴らしさを伝えきれないのが歯がゆいのですが、とにかく是非ご一読ください!
作者様独特の心地よいテンポと読みやすさに加え、至る所に散りばめられた伏線が気になってどんどん読み進めてしまうことでしょう。
そして、作品全体を包み込む大きな優しさの中に人間の愚かさや理想の社会へのメッセージがしっかりと息づいており、読み手の心に深い感動を与えてくれます。

ワクワクドキドキハラハラ、時に目頭を熱くさせながら、数千年に渡って散りばめられたパズルピースのような謎がカチリカチリと見事にはまっていく爽快感を楽しんだ先には素晴らしい… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

気付けば3ヶ月読んでいた。
早かった…。
脱獄劇だったはずだ、でもスケールがデカすぎる。
子供の頃に読んだ冒険小説、そのワクワク感を思い出す。

この作品は『鍋』だ。
高級料亭で出される洗礼された料理じゃない。
言うなれば、友達の家で好きな材料を持ち寄ってワイワイ作った『鍋』だ。
途中で味すら変わっていく、楽しい時間を共有した…その中心にあった『鍋』。

いつか…そしていつまでも…素敵な思い出、そんな作品でした。

★★★ Excellent!!!

これほど壮大かつ面白い物語を、私は数えるほどしか知りません。それは三十三万強の文字数を言っているわけではありません。
今作は、謎の大陸アトランティスを巡って繰り広げられる、冒険活劇ですが、よくもこれだけの内容を破綻することなく、そして読み手を引き付けて離さないストーリーを構築できたものだと、読了後にため息がもれました。
主人公は天才発明家のテルオ、そして少年スケイプです。それぞれの立ち位置で話が進んでいきます。毛細血管のように張り巡らされた伏線が、この両者の物語をとても上手く繋いでくれます。
二人に関わる登場人物も、実に多彩に創られています。それぞれのキャラが与えられた役目以上の、とても素敵な演技でもって物語をさらに盛り立ててくれます。
長編映画を観賞するように、ワクワクドキドキしながら拝読していましたが、これは作者の代表作になると申し上げても過言ではないと思います。
読み終えた今でも、テルオとスケイプの二人がまだ頭の中で動いています。長編だからこそ味わえる濃厚な満足感、皆さまもぜひ味わってください。後悔は絶対にさせません。

★★★ Excellent!!!

関川さんの小説を読んだ後は、いつも考えさせられます。
自分の解釈はあってるのだろうか? と不安になりながら(これは決して筆者の意図するところではないとは理解しているのですが)ストーリーを振り返り、セリフを振り返り、残されたメッセージを考えます。

いつも「読みやすく、世界に入り込めて、読後感のいい小説」であるがゆえに、単純に読んで面白かった、だけだともったいない気がして。

多くの話を書き、多くの話を読む筆者の苦悩、ストイックなまでに読者視点に立ち続け、アイデアを出し続け、こだわり続け、すり減らした筆者の魂が感じ取れる気がして。

作中のキャラクターに対する愛情、こだわりと情熱、あくなき向上心、書くことに対する楽しみと苦しみがどこから生まれるのか知りたい気がして。

そんな筆者のジレンマが表れているのがまさに今作なんじゃないかな? と思ったり。作中のストーリーテラーは全て筆者、関川二尋の分身であることに疑いの余地はありませんが、それぞれが悩みや思いのたけをぶつけ合った結果の完成度、という気がするのです。筆者の脳内ではきっと、繊細な関川、大胆な関川、そしてアイデアを出す関えもんによる、あーでもない、こーでもない、いっそのことぶっちゃけてみるか? やっちゃう? やっちゃえ! みたいな会議が繰り広げられていて、それを経由して「アトランティス⇨アトランティス」の旅が出来上がったんじゃないかな、と勝手に妄想してしまうのです。

今作は純粋に「読んで良かった」と思うとともに、これからも関川さんには傑作を生み出し続けていただきたいな、と、そんな感情を抱きました。

★★ Very Good!!

アトランティス、という単語に興味を引かれて読み始め、登場人物や設定があまり自分の好みじゃないなと思いつつ、そのまま当時の公開分(九幕ぐらいまでかな)一気に読み切っていたという……完全に、やられました! な感じの作品です。

とにかく、物語に力がある。
登場人物の存在感というか、熱量に引き込まれて、一気に読み進めてしまう。
どのキャラクターが好きというよりも、物語全体にある熱、生命感とでもいうのか、そういうものに引きずられるようにして読みました。

まずは一ページ、開いてみることをおすすめします。
冒頭の自己紹介からして作品の面白さが出ているので、きっと一気に作品世界に引き込まれると思いますよ。

★★★ Excellent!!!

 天才であるがゆえに閉じ込められた科学者たち。
 自由を求めて、彼らは脱獄する。

 ――いや、待て。
 これは、「逃げるため」ではなく、「目指すため」の物語だ。
 初めから定められていた運命(?)だということを、「つまようじ」(!)が告げているではないか!

 醜くて、美しい『人間』という生き物。
 謎と、浪漫。
 科学。
 そして、時間。
 これらが複雑に絡み合った、四次元パズル。
 荒唐無稽、波乱万丈な物語。
 ページをめくる手が止まらなくなる、この壮大な冒険譚を、是非お薦めします。

★★★ Excellent!!!

――長野の山奥に日本中の天才をあつめた研究所があった。

そんな研究所に収容された、天才科学者の中に1人のハゲ。いや、男。主人公は51才のおっさんです。しかもハゲ。名は織田輝男。
『輝く男』です。名前憶えましたね? 彼の語尾はハゲですからね。覚えましたね?

でも、彼が輝いているのは頭の外側だけでは無い。

その内側なんだ(キラン

そんな彼が、その天才的な頭脳でついに世界からハゲを根絶!? 全ハゲの希望の星。織田輝男。彼と、彼をとりまく『地上の星』な物語だ!


……ふざけすぎました。ごめん。


物語はしっかりとした語り口で語られる冒険物語。

幻の大陸アトランティスを探し出すという。『これぞ物語!』という魅力に溢れた本作。もの静かな語り口ですが、読みずらいことなんてなく、読み始めたらスラスラと読めます。

少年少女時代のキラッキラした夢。それから早四十年。
社会的な大成功を収めた面々がそれを打ち棄て、追い求めるその夢の行きつく先には……

アトランティスとは何なのか? 何処にあるのか?

それを追い求め続けた者達の行きつく果てとは?

輝く男が照らし出すのは、我々人類の希望か否か。

いまからラストが楽しみでなりません。

★★★ Excellent!!!

読みやすく考え込まれた構成。そして、静かで物悲しい雰囲気の中に緊迫感と臨場感。人間の心を素直に捉えた作品です。

私は関川二尋さんの作品に触れるのは初めてなのですが、第一印象は頭が良いと思いました。科学の話が題材なのかは解かりませんか、頭脳明晰な雰囲気が滲みでています。読み返した時にわかった事が沢山あり、伏線もあちらこちらに含まれており、すべて計算された構成だと気付かされました。

こんな素晴らしい作品を生み出して頂き感謝です。そして、この作品を紹介してくださった方にも感謝です。

★★★ Excellent!!!

危険とされている科学者たちを、一つの刑務所にまとめて収容しているという設定が、まずすごいです。
科学者を主人公にするということは、かなりの知識を有すると思うのですが、読んでて「賢いな~」と言わされてしまうほどに、しっかりとした知識を盛り込んでいます。
そのくせ、ただのうんちくな感じが全くせず、むしろ知識を披露されればされるほど、科学者の壮大なロマンにわくわくさせられます。
人間模様もしっかりしていて、科学者が苦悩している姿がリアルに表現されています。
「アトランティスのつまようじ」の正体を知ると、これまたセンスがあるなあって関心させられました。
物語としてのレベルの高さを感じさせる作品ですが、何も考えずにサラッと読んだとしても、すごく楽しめる内容になっていると思います。
まだ途中なんですよね。続きまだかなーって思ってます。

★★★ Excellent!!!

刑務所に閉じ込められている男、織田輝男の長い前置きで始まる本作。

自分の発明のせいで五千人の命が奪われたのだと苦悩する織田輝男を始め、アトランティスの首都で生まれたE・スケイプという名の「ボク」。そして「わたし」という名の人物など、序盤から三つの視点が登場して、壮大なストーリーを予感させます。

今の段階でキーマンと思われるのはやはり、織田輝男でしょうか。おそらく彼が脱獄をしたところから大きく物語は動くと思われます。まるでアルカトラズ刑務所かのような厳重な警備をかいくぐった先にある物語は一体――。

タイトルにもある「アトランティスのつまようじ」が、どう物語に関わってくるのかも気になりますね。

 皆様も是非、壮大な科学小説(サイエンスフィクション)を読んでみませんか(⌒∇⌒)

★★★ Excellent!!!

これは書き手の壮大な構想を『一冊の本に纏めた』詩編である。

強烈に癖のあるキャラクターの自己紹介、それが冒頭に用意されている。
そこでまず身を乗り出し、姿勢を正して読む構えをとってしまう。
紹介文は短いものだったが、その500文字にも満たない文章に魂が宿っているのを感じたからだ。

あらすじにもある通り、これは脱獄物語。
しかし普通の刑務所からの脱獄ではない。
超極悪人が収容されている無法地帯からの脱獄でもない。
ある特殊な条件を満たす者が収容されている場所からの脱獄だ。

その場所については、読み進めると直ぐに明記されているので是非御自身の目で確かめて欲しい。

狂科学者、人間味の無い合理的な人物、そして未知なる機械人形。
物語の軸となる主要人物に加え、妖艶な謎の女性やロリテイスト漂う女科学者等、一癖も二癖もありそうな愛すべきキャラクター達が脇を固める。

それだけでも既に面白そうな予感が走る設定であるのに、これでもかこれでもかと興味深く惹きつけられるエピソードが重ねられ、もう許してくれと身体が歓喜の悲鳴を上げ続ける。

私如きのレビューでは満足にこの物語の良さを伝えらえないのが口惜しいが、それでも書いておきたい。

何故なら、そうする事によってこの真なる壮大な物語がWEBを閲覧されている方の目にとまるからだ。

本当は独り占めして誰にも知られたくない。
そんな思いもあるのは確かだが、それ以上にこの大作は万人に評価されて然るべきだと思う気持ちの方が強い。

是非読んでくれなどと、陳腐な台詞は書けない。
だから、こう書こう。

共に新たな可能性の息吹を見定めよう、と。



★★★ Excellent!!!

天才的科学者が収容されている『刑務所』
その刑務所から脱獄をはかりアトランティスを目指す物語。

脱獄という単純なテーマでありながら物語の奥は底抜けに深い。

まさにSFというべき展開から繰り広げられる科学のアクション
そして登場人物全てが背負う過去と人間性
同時進行で進むアトランティスの物語

どの部分を読んでも面白く、この先の展開が楽しみになります。

いったいどうやって脱獄するのか?
脱獄した先にはアトランティスがあるのか?
そもそもアトランティスは理想郷なのか?

明かされる真実と、天才科学者の未来は!!

完結まで目を離せません。