この小説は、この世界に似ている。

本作は科学的(サイエンティフィック)な虚構(フィクション)でありすこし不思議な話しなのだが、鏡のように世相を反映しているとわたしは思う。本作を読みはじめた当初、まるで今という時代をそのまま小説という形式に変換したようだとの感想を持ったものである。

元来わたしはひとにものを薦める趣味を持たない。そうなのだが、わたし個人としては、サクッと読める作品よりも、長大かつ重厚な作品を好むひとに本作をオススメしたい。わたしがそうだったように、いわゆる「オカルト」にまったく興味・関心がないひとでも読むのに支障のない内容だと思う。

このサイトは★を最大3つまでつけて評価する仕様だが、仮に5段界評価だったとしても最大の5の評価にしただろう。まれにみる傑作だと思う。

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