「砂糖」の甘さとほろ苦さ…

お茶会に集う女性達のざわめき、
「砂糖」の甘さとほろ苦さ、
彼女達の豊かな暮らしを支えている
貧困、奴隷労働、植民地…といった
紅茶の湯気越しに見える現実。
そして、彼女達の問題は現代に繋がる問題でもある。
端正な文章を通じ、それらが
リアルさをもって読者の眼前に浮かんできます。

作者の方の該博な歴史知識が
無理なく滑らかに小説世界に生きていて、
まさに小説を通じて歴史に触れる醍醐味を
味あわせていただきました。
読後感も鮮やかで、余韻が残ります。

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