概要
少女たちのつくりあげる〈禁猟区〉
二つの都市伝説に引き裂かれたこの物語は、しょうじき暴走している。
「きさまの正体は街の不安をエネルギーに旋回する衛星でした」
そう言って現れたのは、黒いお嬢様学校の制服に身をつつんだ謎の美少女。
彼女は異世界からの召喚者だとのたまう。
次々に起こる女子高生の連続失踪事件に、
閉鎖された街に投下される黒シリーズの爆撃。
死んだはずの双子の兄が、異界で十三体の父親を皆殺しにするとき、
『十五歳のヴィンセント』がうぶごえをあげる――。
――あなたには大切なものがありますか?
これは僕の物語であり、きみの物語でもある。
執筆期間:2012.06-2012.12
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※この物語はフ
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- ★★★ Excellent!!!ストーリーキャラクター文体……凡てが規格外!
この荒唐無稽感満載のあらすじ、目次にJさん絡みの出自とくれば、やはり思い浮かぶのは舞城王太郎。しかし、読み進めると全くもって舞城フォロワーの文章ではないことが判ります。あちらの専売特許である暴力と疾走感は、こちらでは小説を彩るスパイスに過ぎず、むしろ本作は詩人の霊感、あるいは預言に近いものがあります。
共通項は「読む人を選ぶ」という点でしょうか。判る奴だけ判ればいい。エンターテインメントとは対極にある姿勢に貫かれながら、それでもなお読者を惹き付けてやまない魅力。逆説的ですが、この読み手に突き刺さるような激烈な面白さは読んでみなければ判らないものです。 - ★★★ Excellent!!!情熱に満ちた絶望がある
この作品が唯一無二の感性で埋め尽くされていることは間違いない。ただ、あまりに個性的すぎて、世界を覗こうとするたびに跳ね返されてしまう。作者と同レベルの極めて高い感性がなければ理解不能な部分が多い。正直わたしも読んでてさっぱり分からず、途中でなんども投げ出している。でも、是が非でも読みたいと思わせる作品だった。できればこの感性を普遍的なレベルに伝わるようにしてほしい。共通の言語で世界を語って欲しい。それは読み手に媚びるということではなく、読み手と対話するようにしてくれたらありがたい。なぜこんなことを言うかといえば、わたしは著者のことをもっと知りたいからだ。わたしも、もう少し頑張ってこの作品と対…続きを読む
- ★★★ Excellent!!!巨人の魂を受け継ぐ男の渾身作。刮目せよ
オレ様……いや、僕は、いつも実力派の物書きの人々をプロデビューしたな呪い殺してやるだの夜道で待ち伏せて釘バットで血祭りにあげたるだのほざいている、無力な痛ワナビである。
……だけど、この作品と作者に対してそんな妬む気持ちを持つことが出来ない。
何故なら、この人は「飯野賢治」というゲーム業界の巨人がこの世を去るにあたって遺したものを受け継いでいるからである。
どんなに辛い孤高の道であっても迎合や妥協のない貴方の創作を完遂してくれ、それは紛れもない正しい道だと僕が保証する…そんな言葉が彼の中で黄金のように輝き続けてこの作品へ結実したのだ、そんな風に思えてならない。
実は僕にもそんな人がいる(…続きを読む