ストーリーキャラクター文体……凡てが規格外!

この荒唐無稽感満載のあらすじ、目次にJさん絡みの出自とくれば、やはり思い浮かぶのは舞城王太郎。しかし、読み進めると全くもって舞城フォロワーの文章ではないことが判ります。あちらの専売特許である暴力と疾走感は、こちらでは小説を彩るスパイスに過ぎず、むしろ本作は詩人の霊感、あるいは預言に近いものがあります。

共通項は「読む人を選ぶ」という点でしょうか。判る奴だけ判ればいい。エンターテインメントとは対極にある姿勢に貫かれながら、それでもなお読者を惹き付けてやまない魅力。逆説的ですが、この読み手に突き刺さるような激烈な面白さは読んでみなければ判らないものです。

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