第3話 タバコ屋の依頼

『お~い…探偵達、今度はたばこ屋さんから依頼だよ』


 月の道をポロンコロンと駆けてく2匹。

「たばこ屋さんだって…僕、たばこ苦手だよ」

 チョビさんがクロさんにぼやきます。


『月光商店街』の外れにあるたばこ屋さん。

 お婆さん猫がやってるたばこ屋さん。

 猫は、たばこを吸いませんから…やってるだけです。

 お婆さん猫が飼われてる家は、たばこ屋さんだそうで…、たばこ屋さんのお婆さんに飼われているのが、ここのお婆さん猫です。


「助けに来たよ」

 チョビさんが店に入っていく。

「こんばんは、お手伝いにきました」

 クロさんがチョビさんに続く。


「あ~よく来てくれたね…探し物を頼みたいんだよ」

「探し物?」

「探偵っぽいぞ」

 チョビさんがワクワクしている。


「何を探してるんですか?」

 クロさんがお婆さん猫に尋ねる。

「子猫の頃に食べた、コロンカリンとして…シャリッとすると…ホロホロッと甘い…お星さまみたいな食べ物を探してほしいんじゃ…」

「コロンとしてボロッと甘い星…」

 チョビさんが首を傾げます。

「違うよ…コロンカリン、シャリッ、ホロホロッと甘い星みたいな食べ物だよ」

 クロさんが心配そうにチョビさんを見ます。

「へへへ…大丈夫!探してくるよ」

 チョビさんが胸を張ります。


 まずは『月光商店街』で甘い食べ物を売ってるお店を探します。

「ケーキ屋さんから聞いてみようか?」

 クロさんがチョビさんに聞きます。

「うん、甘い食べ物ならケーキだよね」


「う~ん…シャリッとホロホロッがないな~」

 クロさんがケーキを食べながら首を傾げます。

「アイスじゃない?氷はシャリッとして口でホロホロッとするよ」

 チョビさんがアイス屋さんに走り出します。

「星には見えないね…僕、頭キーンとしてきた…」

 かき氷をシャグシャグ食べたチョビさんが自分の頭を押さえます。


 チョコに、お饅頭…おしるこも食べました。

「もうお腹いっぱいだよ…」

 チョビさんがお腹を擦りながら…大あくびをします。

「なんなんだろうね…」

 2人は公園のベンチに腰かけて、悩んでいます。


 公園で子猫が遊んでいます。

「子猫のときに食べたんだから…子猫に聞けばいいんじゃない?」

 チョビさんがクロさんに言いました。

「そうだね、聞いてみよう」

「ねぇ、、コロンカリンとして…シャリッとすると…ホロホロッと甘い…お星さまみたいな食べ物って知らない?」

 子猫たちは、ちょっと考えて


「駄菓子屋さんになら、きっとあるよ」

 と教えてくれました。


 2人は駄菓子屋さんに聞きます。

「ねぇ、、コロンカリンとして…シャリッとすると…ホロホロッと甘い…お星さまみたいな食べ物ください」

「はいよ…」

 と紙袋にお菓子を入れてくれました。


「これか~」

 袋には、青やピンク、白、黄色、色とりどりの、こんぺいとうが入っています。

「うわぁー、ホントにお星さまみたいだね」

 チョビさんが1粒、食べてみます。

 こんぺいとうは、口の中でコロンカリンとして…シャリッとすると…ホロホロッと溶けてしまいます。

「甘いよ」

 クロさんにも1粒渡します。

「ホントだ…甘いね」


 2人は、お婆さんに、こんぺいとうを渡しました。

「あぁ…これだよ…子猫のときに食べたんじゃ…甘くて懐かしい味がするよ・・・ありがとう」


 お婆さんの、たばこ屋さんでお星さまを見ながら、お星さまのようなこんぺいとうをコロン…カリンと食べました。

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