第7話 おでん屋さんを流行らせろ

『お~い…探偵達、おでん屋さんから依頼だよ』


 月の道をポロン♪コロン♪と駆けてく2匹。

「おでん屋さんだって…ユキがたまに食べてるよね」

 クロさんがチョビさんに話しかけます。

 ユキとは2人の同居人です。人間の2人には同居人ですが…飼い主です。


『月光商店街』で屋台のおでん屋さんが待っています。

「依頼はなんでしょうか?」

 クロさんが聞きます。

 クロさんは食べ物屋さんの依頼は張り切るのです。

 チョビさんは、珍しそうに屋台を見ています、チョロチョロと動き回って。


「実は…おでん屋をやっているんですが…誰も食べてくれないんですよ、どうしたら食べてもらえるかと思って…相談を」

「美味しいのかな?」

 チョビさんが言うと、おでん屋さんがお皿に、おでんを取ってくれました。

「うわぁ~」

 チョビさんが食べようと舌でチョンと大根を舐めて

「熱い!」

 アツアツのおでんは、猫には食べられたものではありません。

「う~ん…美味しいんだけどな~おでん…」

 クロさんは考えてます。

 チョビさんが舌をコップの水に浸しながら、クロさんに聞きます。

「クロさんはなんで食べてもいないのに、美味しいって解るのさ」

「ん…ユキが食べさせてくれるじゃないか」

「ユキが…そういえば、僕も食べたことあるかも…寒い日に」


「やっぱり…猫におでんは無理なんでしょうか?」

 おでん屋さんが残念そうに下を向きます。


「ん…ユキは僕達にくれるときに、このまま出さないぞ」

 クロさんが大根を突きながら言います。

「うん…小さくしてくれるよね、いつも、なんでも」

「あっ!ソレだよチョビさん」

「なにが?」

「ユキが僕達に食べさせてくれる時みたいにすればいいんだよ」

「そっか~、じゃあ小さくして…フーフーするんだよ」


 クロさんとチョビさんは、おでん屋さんに、おでんの食べ方を教えます。

 これだと大きいから…お皿に盛るときに小さくして…コレで仰ぐんだパタパタするんだよ。

 うちわを渡して問題解決です。

「ねっ…美味しいよ」

 3人でおでんを沢山食べました。


 今では、おでん屋さんの屋台は皆が集まる人気のお店です。

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