第8話 月光商店街 体育祭

 お月様に呼ばれて、体育祭に参加します。

 身軽なチョビさん、力持ちのクロさん、自信はあります。

 商店街を大通りで左右に分けて、『白のまたたび組』・『赤のマグロ組』で競います。


 チョビさんは足を使った種目で大奮戦。

 惜しむらくは…借り物競争の途中でネズミを追いかけ回してるうちにビリになったこと…。

 障害物リレーで、粉に紛れたチキン飴を探してるときに…マタタビが混ざっていて酔っぱらったこと…。


 クロさんは力で勝負。

 綱引きで大健闘…の予定だったのですが…縄が切れて尻もち…。

 棒倒しでは、旗にマタタビがまぶされて…酔っぱらって負けました…。


 チョビさんとクロさんの『赤のマグロ組』は、あらゆる競技でマタタビの誘惑…いや妨害が酷いような…。

 さすがに、『白のまたたび組』に抗議します。

『白のマタタビ組』は、とぼけて取り合ってくれません。


 チョビさんとクロさんは考えます。

 証拠を掴まなきゃね。


 次の競技は、玉入れです。

 クロさんが『白のまたたび組』に球の交換を提案しました。

「なにもしてないなら、問題ないじゃないか」

 クロさんが詰め寄ります。


 しぶしぶ、球を交換して競技開始!


『白のまたたび組』…全員悶絶…またたび効果バッチリです。

「やっぱりね…袋の中身はマタタビだと思ったよ…」

 クロさんが呆れて言います。

「僕だって、気づいてたよ…たぶん…」

 チョビさんが負けじと言います。


 結果は…毎年同じ。


 10点より先は…いっぱいですから…毎年、引き分け。

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