第15話 関西弁の刑事

くるま先輩、ある大先輩から話を聞きましたよ。その例のページをスクラッチしたら、どうですか?それなら…」

 神無木署に戻ると、いきなり署の玄関前で見知らぬ若い男の刑事にからまれた。

「君は一体、誰だ?」

「初めまして、今日から亜車先輩の相棒になる西にしじょう敬介けいすけと申します。お手柔らかに指導お願いします」

 これは一体、何の話だ?俺は誰からも聞いてないぞ。

「亜車先輩は聞いてないんですか?今日付けで、僕とで相棒を組むことを…」


数分後、俺は西九条と署の警務課長室にいた。


「今日から亜車と組むことになった西九条だ。西九条は、浪速ナニワの公安刑事と呼ばれる西の方じゃあ、知らぬ者はいない若手敏腕びんわん刑事だ。以上」

「課長さん、それは言い過ぎですよ。まあ、大体は当たってますけど…」


「?」


「…と言うことで、よろしくお願いします」

「これは一体、どういうことですか?説明して下さい!」

連続殺人クッキング・シリアルキラー事件に関連した上からの命令だ。相手が犯罪組織グループである可能性を踏まえて捜査関係者の単独行動は禁止になった。だが、亜車には特別に公安からの相棒が就く。これは亜車の功績が認められての事だ」


「少し考える時間を下さい…」

そう言うと、俺は西九条を置き去りにして警務課長室を後にした。

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