第07話 旧友の疑惑

「ちょっと待ってくれ!彼が犯人だと言いたいのか?」

 新人刑事に負けじと語気が強まるベテラン刑事。

「あくまでも、可能性の範囲内です。」

 ベテラン刑事の語気に押されたのか、新人刑事はトーンダウンした。透かさず、ベテラン刑事が反論に出る。

「そう言えるなら、彼が我々警察にこの事件のプロファイリング協力をしていた可能性もあるんじゃないか?第一に"志真緒しまお"という名前は、インターネットで調べれば女性名にもあるという事が一発で分かるんじゃないか?この2つの疑念を越えない限り、ただの憶測だ!」

 言い切ったベテラン刑事は興奮気味に言い終えた。すると、どこからとなく言い返しの声が遠くの方から聞こえる。

「それじゃあ、賭けをしてみませんか?その未解決事件。元より、俺の部下アイボウだったさら志真緒しまおが殉職した五年前の事件を…」

 振り向いた二人の先にいたのは声の主であるくるま刑事、その本人だった。

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