第12話 突然の執行

 明後日は、ある人物へ会いに行く。そう、例の大学院の教授へ会いに。

 そう思っていた矢先の出来事だった。黄昏時たそがれどき、月に一度の木更津志真緒警部補の墓参りの帰り道に一本の訃報が俺の携帯電話に掛かってきた。それは、東京拘置所からの大神真琴死刑囚死刑執行の知らせだった…。大神死刑囚の生前意向により、遺灰は霊峰富士ふもとの樹海に散骨する事となった。そして翌日の早朝、誰も悲しまないほうが世間に垂れ流された。大神オオガミコト生没せいぼつ同日、享受二十歳。

 大神死刑囚の二十歳の誕生日に死刑執行が行われたという。だが俺は、大神死刑囚の誕生日を知らなかった。そして俺は先々週、大神真琴死刑囚と会った拘置所に行きたくなった。そう、お別れの祝いを言いに…。

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