第02話 十年前の死闘

 「お前ら全員のココロを操ってろうか?」


 そう言った瞬間、少女の笑顔は真顔になった。応援要請で現場に駆けつけていた一人の新人警官が、それを聞いた瞬間びながら、その少女に銃口を向けた。


「うわあああ」

 

その警官を止めようとしたが時、既に遅かった。


"パンッ、パンッ"


 乾いた破裂音の様な銃声が事件現場に二度、鳴り響いた。そして、その警官が放った2発の銃弾は、その少女の両足を貫いた。


「アアア…」


 鉄と火薬の匂いが漂う中、両腕で両足を押さえながら、のたうち回る血まみれの黒髪少女は叫び声にも成らぬ断末魔を現場にとどろかせた。

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