概要
軍人時代に慣れ親しんだイカツイ戦闘機《クラフト》を愛機とし、気ままな郵便屋生活を営んでいたラシェットのもとにある日、幼き日の親友サマルから手紙が届く。しかし、その手紙の内容はサマルの自殺をほのめかすものだった!
なぜ、親友は死ななければならないのか?彼の身に一体何が起こったのか?
ラシェットは親友の死を止めるべく、またその裏に隠された真実を知るべく、空へと旅立つ。しかし、彼が飛び込んでしまったのは様々な人物の目的が交錯する、陰謀の渦の中だった!
果たして、ラシェットは大切な友を救うことができるのか?そして、彼と親友に迫る不吉な影の正体とは?
ロマン溢れる世界観
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!セピアのフィルムが似合う飛行機乗りの物語。
現在15話飛行途中。この先も長い期間読むつもりだから
ここで一度立ち止まって給油しがてら、書き残しておく。
千夜一夜物語のごとく、毎晩抱えたい作品。
砂色の背表紙が何巻も、本棚に並んでいるのが見えてくる。
中表紙には、きっと古い地図が描かれているはずだ。
故郷ライル村、めざすアストリア、まだ見ぬ世界。
手に取ると、郵便飛行機乗りと一緒に逃避行したり
氷を割るバーテンダーのほほえみが寄り添ってくる。
暗躍するノワールたちが これから続々と出てきそうな気配。
物語の空気の重さが 心地いいんだ。
甘すぎない浪漫が散りばめられ、良質の本物の味がする。 - ★★★ Excellent!!!あふれる空への愛
愛しても愛しきれない、恐れても恐れたりない、それでも一度行けるのだと知った空への思い。夜間飛行も風立ちぬも、空を描いた小説はどれも好きですが、この小説もまた私の心に深く響いた作品です。まだ序盤ですが、これは傑作と思い、思わず感想を入れてしまいました。
私の祖父は前の戦争で陸軍の飛行機乗りでして、幼い頃に聞いた空の思い出は今でも時々思い出します。飛行機乗りにはどこかセンチメンタリズムに満ちたところがあって、空を語る人からはその深い信念や孤独が伝わってくるものですが、本作はそうした飛行機乗りの特徴を見事に表現していると思います。
また深い知識に裏打ちされた描写も多く、砲撃で砕ける雲や砂漠での…続きを読む - ★★★ Excellent!!!本物の冒険譚がここにある
なろうで一通り読み、感想を書かせていただきましたがそれでは他の方々にこの素晴らしい作品を読んでいただけないかと思い、レビューさせていただきます。
はっきり言って、この作品、めちゃくちゃ面白いです。
もし貴方が「天空の城ラピュタ」や「紅の豚」が好きならまず読むべきです。何故ならこの作品にはジブリ作品に通ずる夢とロマンが詰まっている。
行方不明の友人からの手紙、頑固なエンジンの飛行機、信頼でき豪快な仲間達、影で暗躍する謎の男、国家の陰謀、不思議な目をした民族最後の生き残りの少女、古代文明の遺産、そして失われた記憶。
これらのワードにワクワクできる人間なら直ぐにこの作品を読んでみるといい。…続きを読む