第14話今朝はゴミ出しの日。道は凍てついていた。
2月3日 火曜日
今朝はゴミ出しの日。道は凍てついていた。
●寒い。
周囲にまだ雪が残っている。雪の上を吹いてくる風。
寒い。
ゴミ出しの日。黄色のポリ袋をさげて門を出た。
寒さのためにバイクのワダチのあとがくっきりと盛り上がっている。
かちかちに凍っている。
何を見ても、いっそう、寒さを感じてしまう。
●きょうは、T歯科に行く日だ。
府中橋から見る日光の山々キレイだろうな。
●あさっては、リリを動物病院に連れて行く日だ。
しかたない、また遁走されたらコトだから、
タクシーを利用しよう。
ほんとうに、リリごめんな。
いちどは、こどもを産み、育てるよろこびを味あわせてやりたいのだが。
パパの働きでは、ムリだ。
ゴメンな。
生まれた赤ちゃんも育てるとなると、ムリなのだ。
ゴメンな。
●さくやは、ホリゴタツで過ごした。
寒さは二階の書斎ケン寝室よりも和らぐ。
なにかアイデアが浮かぶと、ガバッと起きあがり、すぐにメモをとる。
それにはホリゴタツでねているほうが容易にできる。
●夜間。
ブラッキーはなんども外に出た。数分でもどってきた。
やはり寒かったのだろう。そのうちに夜が明けた。
きょうは、ゴミ出しの日だ。
そのうち、カミサンが起きだすだろう。
まだ風邪がなおりきっていない――。
ムリはさせられないな――。
2月5日 木曜日
きょうは、リリちゃんのXデイ。
●のどがかさかさして、痛む。たいした痛みではない。でも、これは喉の腫れる前兆だ。
扁桃腺は若いときに摘出手術をうけた。だから、喉の奥が腫れるだけなのだが、そうなると体がだるい。仕事ができなくなる。困る。
●ここで、わたしがダウンするわけにはいかない。
風邪をひくわけにはいかないのだ。カミサンはまだ元気になっていない。
●朝食後、イブを二錠のむ。
●きょうは、リリのXデイだ。いよいよだ。
例の件で、S動物病院に連れて行く日だ。
こんどは、キャリーバッグを買ってある。
「洗濯のとき使用する網に入れてきてください」
と注意されている。
そうか、網に入れておけば、逃げられないな。
と感心した。専門家の知識ってたいしたもんだ。
●ブジ、手術がすめばいいな。
●万が一、と言って叱られた。
●最悪の事態というものを、カミサンはイメージしないらしい。
2月6日 金曜日
リリの不妊手術ブジに済みました。
●リリの不妊手術。ブジに済んだ。
S動物病院に術後のリリに会いに行って来た。
●ガラス越しのご対面となった。
カミサンの顔を見て、リリは――、かけよってきて、ガラスごしに鼻をおしつけた。小さく鳴いた。
声は聞こえたのか、聞えなかったのか、すごくセツナイ気持ちで見ていたので、覚えていない。
カミサンは感極まって泣き声。
「よかったね。よかったね。リリよくがんばったね」
●「あすの午前中には退院できますから」
こんやは、カミサンは孤閨。独り寝。
しみじみとリリとのことを想い、出会いからいままでのリリと過ごしてきた、episodeをくりかえしイメージすることだろう。 ●リリは可愛すぎる。
リリにめろめろのカミサン。
●カミサンはK病院の耳鼻科で、「麦門冬湯」エキス顆粒を処方してもらった。
飲んだところ、咳、痰ともに治まっている。
このまま治るといいな。
わたしは、歯医者さんに通っている。
なにかと、お医者さんに縁のある日々を過ごしている。
2月7日 土曜日
リリ、お帰り。ここがわが家だよ。
●昨日、リリが元気に帰ってきた。
たいへんだったな、リリ。よくがんばったな。元気といっても、エリザベスカラ―を首の周りにまきつけられている。腹部の手術のあとをなめないように――。とのことだ。
なるほど、4センチくらいの傷があり、縫ってある。きれいに毛をそってあるので、傷口がなまなましく露呈している。
そして、ゴマ粒ほどの乳首のついてているのに気づいた。
妊娠すれば、赤ちゃんが産まれる。とうぜんことだが、哺乳類だからおっぱいを飲ませて育てる。
そうした、メス猫の自然の営みを、奪ってしまったようで、ゴメンなリリ。
●夜なった。
カミサンの脇にもぐりこんでほほを寄せて、
いつものように寝ようとして、カラ―が邪魔で、それがかなわない。リリにメロメロのカミサンだ。
そのまま放っておくわけがない……。元、化粧室に使っていた畳の部屋に布団を敷く。暖房をつけて寝ることにした。
畳の部屋なら、布団にもぐりこんでこられなくても、ベッドとちがい高低差がない。
それにこの部屋なら暖房を一夜つけっぱなしにして置ける。
リリが「ニャ」と短く鳴いたといつては、「痛むのかしら」と心配し、ほほをスリスリしょうとしても、カラーがあるのでできない、といってカミサンは嘆いている。
●カミサン自身は、K病院で副鼻のCTの結果が火曜日にわかる。
●こうした、心配ごとが氷が解けるようにはやくいい結果で、消えて行かないかな。
●春が望まれる。
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