第4話願いがかなって

4月3日

わたしの手作りの棚に,リリが飛び乗ろうとする。

尾尻をキュキュとふって、狙いを定める。

何回も挑戦するが、幅が狭いため物をおとしそうになる。

そのたびに抱えておろすはめに。

小物を飾っていたがリリのためにあけてあげた。

ついに飛び乗ることができて満足そうなリリ。

棚に寝そべってリラックス。


花びらのかわりに雪が舞う

4月8日

リリに起こされやっと床からはいだす。

リリが来てから目覚ましはいらなくなった。

決まって6時には起こされる。

まだ覚めやらぬ頭でカーテンをあけに窓辺に。

カーテンを開けると、空はどんより。

ああ、また雨……

おや……バラの赤銅色の新葉に雪が……

クリスマスローズがさらに重たそうに首をかしげている。

桜も終わりに近いのになんてこと、また冬に逆戻り。

黄モッコウバラも米粒ほどの可愛いつぼみをつけた。

開花への準備はできているのに。

今週はあまり天気が良くないらしい。

世界的に異常気象が続いている。

早く春よ、戻って。

春の陽光の下で輝く草花を愛でたい。


ブラッキーちゃん遊ぼうよ

4 月15日

ブラッキーちゃんどこにいるのとリリ。

ブラッキーに遊んでもらいたくてしきりにちょっかいを出す。

ブラッキーはシュと威嚇する。

何度かブラッキーに挑戦するが、相手にされない。

諦めたのか、疲れたのかすやすやお休み。

リリはテレビの中の小動物に興味をもってジッと眺めている。

岩合さんの猫の番組を見ていると、一緒に遊びたいのだろう。

テレビに飛びかかる。

ブラッキーが遊んであげるといいのだけど…


リリの悪戯

4月19日

PCの電源を入れる。

インターネットが何度試みても作動しない。

おかしい。

また、リリの悪戯……

コードを調べてみる。

「キャー」思わず悲鳴をあげる。

ランコードが、かじられている。

犯人はリリ。

かじり癖のあるリリの仕業だった。

かじっている現場は押さえられなかった。

怒ってもダメだと思い叱らなかった。

アギトをひらいた。パチリ。

可愛いお顔してどうしてこんなおいたをするの…

なにかいい方法はないものかしら…


リリの小さな冒険

5月20日

リリは家の中で飼っていた。

ある日脱走して、外の世界の楽しさをあじわってしまった。

それからというものドアのあく音がすると走り寄ってくる。

足にマッワリ鳴いて外に出してとせがみます。

あまりにも上手に上目づかいにねだるので「1日1回よ」と出してあげることにした。

庭を端から端と飛び回っている。

リリと呼ぶとかならず姿を現わす。

生き生きとしたチャメケのある目でわたし見る。


夫のいない間にブログをかいてみた

7月5日

今日もはっきりしない天気。

夫に散歩に誘われた。

書類整理や、やることがやまずみになっているので断る。

夫が出てからかれこれⅠ時間ちかくなる。

いつもいる人がいないと、みように落ち着かない。

家のなかがしんーと静まり返っている。

静かすぎるのでジャズをききながら書類整理。

リリはわたしが仕事をしている後ろの棚の籠の中。

のびのびと足を延ばして爆睡。

ほとんどわたしの居る範囲以内でくつろいでいる。

ブラッキーは夫のソファでお昼寝。

それにしても遅い。

徘徊老人と思われるのを嫌って、一人ではあまり散歩にでない。

本屋にでも立ち寄ったのだろうか。

あまり遅いので心配になる。

電話をする。

教え子に会い楽しくて話が弾んでいるとか。

良かった。


梅雨の庭とリリ

7月8日

はっきりしない天気が続いている。

薄日が射してきたと思うと雨が降りだす。

庭は長雨でバラの朽ちた葉や花びらが散乱している。

落ちた葉は泥でぐしゃぐしゃになっている。

雨の合間に雑然となった庭にでて散った葉や雑草をとる。

いつの間にか傍らでリリがわたしの仕事ぶりを観察している。

わたしの居場所がどうしてわかるの。

気が付くといつのまにか、距離を置いてわたしの傍にいる。

「リリ可愛い」と声をかけると、クルッと横になり顔を上にして見上げる。

ジッと恥ずかしいほどみつめられる。

また、雨がぱらぱらと降りだした。

「リリ家に入りましょう」

白い稲妻のようにわたしの足元をすり抜け廊下に駆けこむ。

外に居ても「リリ戻っておいで」と声をかけると必ず戻ってくる。

リリを抱いて「可愛い、可愛い」と頬ずりをする。

リリのおかげで心が和む。


酷暑 猫ちゃんのようす

7月27日

毎日うだるような暑さがつづいている。

植物の葉は茶色く干からび、地面はカバカバに乾燥している。

バラの新葉も先がカラカラになり、つまむと粉々に砕けるありさま。

ブラッキーはこの暑さの中よく散歩にでかける。

リリは玄関のたたきでごろごろしている。

コンクリートが冷や冷やして涼しいらしい。

ある時はソファでぐっすりお昼寝。

猫たちの仕草をみて夫と楽しんでいる。

直接エアコンの風の当たるキッチンは避けている。

隣のリビングのソファで寝ている。ーーリリとブラッキー。

ときおり、アクビをしたり、背伸びをしたり――。

そのたびに、二匹の猫の見せる愛らしい仕草に、おもわず微笑んでしまう。


青い烏瓜

8月17日 月曜日

朝から雨が降っている。

涼しい。

これで今年の猛暑も終わるだろう。

きびしい残暑があるとしても、もうそこまで秋がやってきている。

烏瓜が小さい青い実をつけている。

これから赤く熟し眼を楽しませてくれる。

冬枯れになるころ鳥についばまれ、空洞になった烏瓜は静かに枯れていく。

烏瓜は蔓がはびこり、バラに絡んで手に負えなくなる。

夫が好きな烏瓜を根こそぎ切るわけにもいかない。

蔓の先を少しずつ切ってはいるが……

午後になって雨脚はときおり激しさをます。

ブラッキーが外にでたくて怒ったような声で鳴いている。

リリはピアノの上でうたた寝。


リリの小さな獲物

8月19日

いたずら好きなリリとの一日の始まり。

朝5時には枕元にきて、頭をポンポン叩いてわたしを起こす。

餌をあげてわたしは寝床にユータウン。

食べ終わるとわたしのそばに来て、鼻や手をかじって寝せてくれません。

仕方なく起きだして、バラの水やりをしていると、網戸越しにわたしを追いかけ出たがって大騒ぎ。

外に出してあげると獲物をとって帰ってくる。

まだ小物ばかり、コオロギ,バッタ、セミなど。

わたしはリリの小さな獲物をそっと草むらに返してあげる。

しばらく探しているが諦めるとソファに行ってお昼寝。

寝姿をみているとあまりの可愛さに顔がほころびる。

リリはわたしのストーカー。

わたしのあとをついて回る。

夜中にトイレに起きると、眼をしょぼしょぼさせてトイレの前で待っていてくれる。心穏やかに笑っていられるのはブラッキーとリリのおかげ。


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