第16話二匹の猫ちゃんと春を待つ。

2月11日 水曜日

●作家が自作にについて解説じみたことを書くのは、よくない。

作品ですべてを語りつくさなければダメなのだ。

よくわかっているのだが。

屋上屋を重ねることにする。

●このところ、ショートショートを二本upした。

「孤独死」と「少年老い易く〈恋〉成り難し」だ。

●二作品とも老人を主人公にすえてみた。

●日本の認知症患者は10年後には、

5人に1人になるらしい。

厚労省の発表だから間違いないだろう。

●わたし自身も、現在すでに、最高齢者に属するので、いつ病気で倒れないか、歩けなくなったら、どうしょうなどという不安をかかえている。

このところ、カミサンが4カ月も風邪が治らない。

いくら薬を飲んでも、効果がない。効目がない。

2人で病床に伏せったら。

ボケたら。

などと老境の不安から逃れられなかった。

●そこで、老いることによって生じる、恐怖について書きたくなったというわけです。

●でも、この作品では、この書き方では、恐怖が伝わらないのではないかと、不安です。

作品を書き上げるのは楽しいのですが、思ったように、こちらの思惑が伝わらないのではと、いつも不安です。

だから毎日、こうし努力しているのですがね――。

●いずれにしても、これからしばらくは、老人問題を作品にしていきたいと思っています。

●さて、このブログを書き終えて、カミサンに呼びかけました。

返事が戻ってきません。

こういうときは、広過ぎる家は困ったものです。

●やっと探し当てたカミサンは、裏庭でつるバラの誘引をしていました。

●カミサンにはバラがよく似合う。

●病気は軽い蓄膿症とわかり、気が楽になったのでしょう。

その治療のための薬をもらってきたので、効果がでてきたのでしょう。

●どうやら、わが家にも、春が訪れそうです。

2月18日 水曜日

二匹の猫ちゃんと春を待つ。

●リリの部屋は暖房中。

わたしよりも待遇がいい。

いままでの猫ちゃんでいちばんかわいいわ。

カミサンはそういってほほずりをしたり、鼻をつきあわせたり、たいへんなかわいがりようだ。

いちどは離ればなれになって、もう会えないかとおおさわぎしたリリだ。

そばにいて、カミサンにあまえている。

もうそれだけで、かわいくて、かわいくてしかたがないカミサンの風情だ。

歳をとってからの飼い猫はかわいい、とは……こういうことなのだろう。

いっときも、離れないでいたいらしい。

寝床もいっしょだ。

綺麗好きなカミサンだったのに、かんがえられないような変化だ。

●三段のゲージを買った。

不妊手術をしたのでカラ―をしていて、おもうように動けない。

カラ―がとれたら、おもうさまウロチョロするのだろうな。

ヤンチャぶりを、発揮するだろうな。

●いま雨が降っている。

寒い。

でも、これで晴れたら、春はもうそこまで来ている。

ブラッキ―とリリ。

二匹の猫ちゃんが、ますます可愛くなってくる季節だ。

2月19日 木曜日

ブラッキーもかわいいけど、リリもかわいいな。

●ブラッキ―は写真嫌い、猫嫌い。

●昨日、「二匹の猫ちゃんと春を待つ」とブログに書いた。

ブラッキ―のことがのっていない。

べつに、依怙贔屓をしているわけではない。

ブラッキーはわたしやカミサンに似て――。

被写体となるのがきらいなのだ。

「はい、チーズ」

なんていわれて、ピッと緊張する瞬間がわたしもきらいだ。

ブラッキ―はカミサンがカメラをむけると、サッと逃げてしまう。

カメラぎらいな猫だ。

それで、ブラッキ―のピクチャをなかなかupできないのだ。

●その上、ブラッキ―はリリをきらっている。

もう半年リリだって同居しているのだから、いいかげんに仲良くしてくれてもいいのに――。

コマッタ。

●わたしには、ブラッキーは、スゴクなついている。いつも、わたしの傍にいる。

いまのところは、ホリゴタツのある四畳半がわたしとブラッキ―の行動範囲だ。

ほとんど、ここから、でない。

●たまに、リリのいる離れにいくと、引き戸の外で、ブラッキ―が鳴く。

「なにしてるの。パパ。はやくもどってきてよ」

●なにか、ヤキモチを焼いている感じだ。

●ブラッキーと若いリリ。

妻妾同居。

――のような雰囲気だ。

ふたりの女性に魅かれる気持ちだ。

●「なにいっているの。わたしはどうなの」

カミサンに叱られそうだ。

2月26日 木曜日

リリの抜糸

●リリチャンの抜糸。

三週間ぶりで下腹部から手術のあとを縫い合わせた糸が消えた。

だいぶ、毛も生えそろって来た。

あしたは、エリザベスカラ―を外していいことになっている。

さぞや、よろこんでまたオイタするのだろうな。

●午後雨。寒い。

でも、これは春を呼ぶ雨だ。

柔らかなバラのトゲ。

花々が芽吹くのももうすぐだ。

●カミサンがだいぶ元気になった。

わたしのほうは、緊張がゆるみ、体が不調。

風邪をひきそうなので、きょうは一日ぼんやりとすごした。

昨夜など、12時間も寝た。驚きだ。

よくもこれほど長時間眠れたものだ。

●クーンツのフランケンシュタイン読破。

再度、読み返すつもりだ。傑作だ。

オッド・トーマスからクーンツの方法論がかわった。

古典的な小説の書き方からアンチロマンの方法論にアプローチしてきたようだ。

興味ある。

●塾生が一人増えた。

うれしいな。 

3月6日 金曜日

ブラッキーとリリ。カミサンとGGの春。

●三色の体毛におおわれた三毛猫、リリ。

白い部分がいちばん多い。そしてクロと茶色。迷い猫でわが家の玄関に訪れた。

カミサンの足元でスリスリしていた。

あまり馴れ馴れしかったから、飼い猫だったのに、捨てられたのかもしれない。

●不妊手術もぶじにすみ、抜糸もすみ、すっかりおちつきを取りもどした。

といいたいところだが、マックスヤンチャぶりを発揮している。

●家の中を縦横無尽に走りまわっている。

ときどき隠れてしまうと、もう見つからない。

削り節の袋をカサカサさせると、どこからともなく風のようにやってくる。

●カワイイ盛りだ。

ときどき困ったことをする。

カミサンの自慢の鼻にかみつく。

けさも、離れでカミサンが悲鳴をあげた。

●そういえば、昨夜、彼女が中道で出転んだ。

甲高い、絹を裂くような悲鳴に驚かされた。

●雌猫二匹。

カミサンとGG。

四人家族の春。

お賑やかなこと――。

3月12日 木曜日

ブラッキーとリリ、三人でお留守番の夜。寂しかった。

●さくじつはカミサンは帰京。

わたしはT歯科で義歯が出来あがった。

帰りに「セブンエレブン」に寄る。

新発売の、「あっつあつ! ドリア」を買う。税込480円。

焼チーズハンバーク カレードリアを、3時ごろ夕食として食べてしまった。

そのあとの時間、何も食べないでいるのが辛かったが、がまんがまん。

●けさ、一番に体重計にのったら!!

なんと、71キロ。

食欲を押さえた効果あり。

70キロまで落とすのが、とりあえずの、目標。

●歯科院で待つ間、隣に座っていたおばさんとおしゃべりをした。

東京大空襲の話になり、わたしは6年生になっていたからよく記憶していると言ったら――おどろいていた。

「体格がいいから、歳には見えないわ」とほめられた。

ことばからして、土地訛りがないから、どこかほかから移住して来たのかもしれない。

ことばがキレイですね。

とおかえしにほめてあげた。

うれしそうだった。

上品な老婦人だった。

●隣に座った、見知らぬ人と話をするのはたのしい。

●4時半からAチャンの授業。

●ブラッキ―とリリ。とわたしで寂しい夜を過ごした。

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