コトバの熱量

吹雪の大雪原を歩く、ひとりの男。
彼はなぜ、そんな苦行に立ち向かうのか?
すべてのものが凍りつくほどの寒さを、
途方もなく強い意思で退ける――。

その極限状態を表現するのは、
選び抜かれ、研ぎ澄まされ、
たたみかけてくる熱いコトバたち。
真っ白いはずの風景に浮かぶ、さまざまな色。

原稿用紙30枚という条件で書かれた
見事というほかない物語です。
なにしろ、コトバの熱量がものすごい。
短編小説の見本だと思います。

主人公の「凛として動じない熱さ」を
描ききった作者の「熱い意思」に、拍手を。

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