概要
砂漠の中の豊かなオアシス国家に、双子の王子様がいた。
片方は伝説の初代国王と同じ蒼い髪をしているが、勉強も武芸も苦手で、子守をしていた女兵士にべったりくっついている。
もう片方は文武両道、頭脳明晰にして明朗闊達、貴族の仲間たちの人望も厚く、将来を有望視されていた。
ところがこの国、実は一度戦争に負けて隣の帝国の支配下にある。
帝国は王国の存続を認める代わりに双子にひとつの条件を課した。
「おのれの支持者をより多く集めて片割れを追い詰めて殺せ。生き残った方を王として認めてやる」
双子はぶつかり合う。おのれの正義と信念をかけて。
のちにアルヤ王国最盛期の王となる『蒼き太陽』ソウェイル王子を中心に、運命に導かれた歴史の証人たちが織り成す群像劇。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!血沸き肉躍る群像劇、光る大河これにあり
カクヨム界隈で活躍される丹羽夏子(SHASHA)さんの代表作の一つと言ってもはや差し支えないでしょう。
蒼き太陽の詩は章そのものがメインタイトルであった連載当初の頃からずっと追い続けていますが、その魅力は何といっても個性豊かな数多き登場人物。一人ひとりのキャラクターがまさに光っています。しかも埋没している人物がまずいない。これは本当にすごいことです。
あらすじや登場人物の魅力については他の多くの方々が力説されていますので、僕はほどほどにしますが、ソウェイル、フェイフューの二人の王子の哀しくも愛に満ちた争いの物語、ユングヴィ、サヴァシュ、ナーヒドら十神剣の煌めく英雄譚など、それほどまでに本…続きを読む - ★★★ Excellent!!!魅力的なキャラクター達に翻弄される!
王座をめぐる二人と神剣に選ばれた十人の戦士、またそれを取り巻く人々、国が紡ぐ叙事詩。
かと言って仰々しく読みづらい事はなく、ラブあり、笑いあり、涙あり、恨み辛みありの読み応え!
アラビアン ゲーム オブ スローン!!
(スローンズではありません。涙)
何気なく読み始めて後悔。
先が気になり気になり、先週一週間は昼夜読み漁り、第三部完了分まで一気に読了。何度朝日をみて会社を休もうかと思ったか。。。
中東の名前や文化に余り馴染みが無く、最初は人物と名前が一致しませんでしたが、各々キャラクターが立ってて、読み進めると嫌いだった人が好きになったり、好きだった人が嫌いになったり。
二部後半〜三部前…続きを読む - ★★★ Excellent!!!叙事詩的な世界の中で、魅力的な人物たちが絡み合う
蒼い髪の王子が生まれたとき、王国は太陽に繁栄を約束される――。
そう言い伝えられるアルヤ王国に「蒼き太陽」が生まれた。その名はソウェイル。しかし、彼は双子だった。金髪の弟の名はフェイフュー。彼らが6歳になったとき、王国は戦火に包まれる。王都陥落の日、伝説の神剣を抜くことができた「十神剣」の1人である少女将軍ユングヴィは、ソウェイルを連れて脱出を試みる。
フェイフューは敵の占領下で養育されていた。月日は流れ、彼を王として国を再建しようとする人々が動き出す。しかし「蒼き太陽」は生きていた……。
近世の中東を思わせる架空の世界で繰り広げられる、壮大な物語です。
ファンタジーでありながら、国…続きを読む - ★★★ Excellent!!!素晴らしい(第一部を読了)
第一部を読了しました。
この作品については冷静なレビューが書けそうにありません。
それほど素晴らしかったです。
★を付けることもすっかり忘れていました。
第一部はサヴァシュが特に良いです(主役ではありません)。
コメントにも何度か書いてしまい、どんだけ好きなんだと自分でも思いますが。彼の活躍には大興奮でした。
しかしサヴァシュが引き立つのも、周りの個性豊かな登場人物あってこそです。
登場人物はとても多いのですが、作者様の書き分けや登場させるタイミングが見事なので、迷子にはなりません。
どの人物もとても魅力的で、それは、長所・短所・その人物の来歴や考え方・周囲との人間関係が、余すことな…続きを読む - ★★★ Excellent!!!取り敢えず読んでください。話はそれからだ。
さて、この作品を語るにあたって、まず最初に私事を述べることをお許しいただきたいと思います。
先日、某所において。とある方が、私について「情の人だ」という風に表現しておりましたところ。
どちらかというと理性と調和を尊ぶきらいのある自身ではありまして、ウマル(この、底知れないこの魅力を持つこのお人こそ……)、ナーヒド(純粋培養且つ正しいことを是とし皆と対等でいるつもりであるのが非常にかわいいと思ったりします)やフェイフュー(背伸びをしつつ聡明であろうとし、それでも年相応の子供であるこの風貌たるや!)、ラームテイン(頭の切れる美青年は至高にして嗜好です)の在り方こそ、為政者としての理想(ついでに…続きを読む - ★★★ Excellent!!!その蒼き太陽は、王国に訪れた黄昏を暁に変ずる。
歴史的にも、文化的にも周辺国を圧倒し、一目置かれる偉大なる王国アルヤ。しかし、砂漠に咲く薔薇と讃えられたその首都エスファーナは、異民族サータム人の侵略を受けついに陥落してしまう――そして、王国の最盛期を築き上げる王ソウェイルの、彼の養母ユングヴィの、神剣に選ばれし将軍たちの群像劇が始まった。
なんということでしょう!! これはもう、国王の双子の王子の片割れ・初代国王と同じ蒼き髪持つ「蒼き太陽」ソウェイル王子の行く末を、王妃によって彼を託された少女将軍の活躍を鼻息を荒くして見守るしかないじゃあありませんか!!
この物語は群像劇です。第一部は同じ「将軍」でありながら立場も考え方も異なる様々…続きを読む - ★★★ Excellent!!!もう叫ぶしかないよね!
まー頭の悪い一言から始まるレビューでまことに申し訳ないのですが、いやでも本当にこの作品、あああぁぁぁあああ!!!!…って、なります。
そしてイヤァァアアアア!!!!…って、なります(前にエンダァアアアアア!!!!がつくこともあります)。
最終的にいろんな意味で胸が熱くなります。
このレビューを書いている時点で第5章のラストまで公開されており、きっとまだまだ序盤なのでしょうが、すでに感情が揺さぶられすぎてやばいです。
とにかくやばいです。
生きている。そう、生きているんです。
登場人物はもちろんのこと、物語そのものが!
理不尽ともいえる栄誉ある運命に、ときに従順に、ときに抗い、ときに戸惑い…続きを読む - ★★★ Excellent!!!蒼天を統べる王、その資質は――
王位とは、勝ち取るものなのか、与えられるものなのか。
それともそれは、初めから決められた定命の範疇にあるものなのか。
幼い双子は、全く違う環境のもとで全く違う成長を遂げました。
この二人が並び立つことが出来れば、と責任を持たない読者の立場では思ってしまうけれど、いずれ争わねばならない宿命を背負わされます。
それぞれ違う魅力があり、違う素養を持った人間を惹きつける。
ひとの心を射止めることが王の資質であれば、ここのつの男の子ふたりは既に、ひとかどの王なのでしょう。ソウェイルにも、フェイフューにも、王として立つだけの輝きがあった。だからこそ、だからこその悲劇なのかもしれない。
避けることの出来…続きを読む